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加賀城 健 展(2011.9.13~25)を終えて
ギャラリー揺 シリーズ企画「間」3
加賀城 健 展(2011.9.13~25)を終えて

テント 化心
展示作品
1 テント-放心    
2 テント-分心 
3 テント-化心
4 Color Layer(茶)
5 Color Layer(青)
6 Color Layer(赤)
7 Color Layer(黄)

庭のあるギャラリーなのに、テント3張りを庭ではなくて室内(畳の間と板間)に窮屈に設置。その違和感や意外性は意表を突きますが、この驚きは夢と楽しさに繋がります。
子どもでなくてもテントの中に入ってみたくなります。テントの天井は星空に、床は大地に、室内は大自然の山々に変化して、現実はテント内の小さな空間なのに、一変して大きな夢が自由に広がる展覧会です。

テント3張り
白生地をテントに仕立ててから、その時の気分で動き廻って刷毛で染め、次にバインダー(樹脂顔料)を指先に付けて下書き無しに自由に描き進めます。作家のその日の心と身体の記憶として染色や脱色により布に刻み込み、作品が仕上がります。

テント内部
子どもの頃に体験した秘密基地の玄関のようなテントの入り口です。

Color Layar
伸子(しんし)2本で立体に仕立てられた2枚の布は庭に展示。
木漏れ日や雨や風を受けて、作品の表情は深まり限りなく変化します。

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以下、美術ライター・小吹隆文氏の記事を紹介いたします。

京都新聞9月17日朝刊(美術欄)掲載記事
加賀城健展――内面性導入図る異形の染色作品
伝統的な染色工芸の世界では失敗とされるブレやボケをあえて生かしたり、のりや脱色剤で絵画的な効果を作り出すなど、柔軟な発想で染色表現の可能性を広げている加賀城健。
近年も、バインダー(樹脂顔料)でドット柄を描いたり、アップリケをコラージュ的に用いて新展開を模索しているが、現在開催中の個展では、テンション(張力)をキーワードにした二つの展開が見られる。庭に展示されている作品は、染め布を干す際に行う「伸子張り」から着想したものだ。一つの作品には複数の染め布が重ねられており、収縮率の差により下の布がほんの少しのぞく姿が美しい。加賀城はピンと張った布地に染色特有の美を感じたという。そして、伸子張りからさらに発想を広げたのが、室内にあるテント型作品だ。
これらは、市販のテントを流用し、新たに張った布地に絵画の要領で染色を施したものだ。やはりテンションのかかった布地特有の緊張感が味わえ、同時に、発色の妙や実用と美術工芸が交錯するクロスジャンル的な魅力を兼ね備えた欲張り作品である。また本作には、子どもの時代に景品で当たったテントを室内に張って遊んでいたという、作家の個人的記憶も反映されている。これまでは主に技術的謝罪面からのアプローチを繰り返してきた加賀城だが、新作では内面性の導入を積極的に図っている。それも、本展の興味深い一面といえよう。(小吹隆文・美術ライター)
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小吹隆文ブログ アートのこぶ〆 9月13日付

加賀城健展/ギャラリー揺
市販のテントの布地を張り替えて染色を施した作品3点と、伸子(しんし)張りという染色の工程から着想した作品4点を出品。両作品には、伸子張りの様子からテントを連想したという関係があり、ピンと張った布地の美しさ=染色品ならではの美という思いも共通します。また、テントには、実用品と芸術品、工芸品と芸術品という両義的な意味合いがあり、さらには自身の子供時代の思い出も投影されているそうです。

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10/03 10:10 | 展覧会
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