美術作家 三橋登美栄
|
|
谷内 薫 展 (2011.3.22~4.3)を終えて
![]() 室内展示 作品 1「織ル小物」 2「パズル」 3「絲」(セット) 4「繝」 5「糸」 6「在る」(セット) 7a~7c「在る風景」(セット) ![]() 庭展示 作品 8a~8f「在る風景」(セット) 9「在る風景」(セット) 10「織ル小物」(中、大) 石畳上の苔に作品を展示。 ![]() 一重の白椿 宋丹が咲きました。 ![]() 作品「絲」(セット) 少しずらせた2点をセットに動きを感じるように展示。 ![]() 作品「絲」(セット)の部分をクローズアップすると、束ねた糸綛(いとかせ)のようです。その上に、土のひび割れが加わることで陶の表情が複雑に重なって見えます。 ![]() 作品「繝」 不安げな有機的フォルムでありながら、質感と色彩から落ち着いた印象を受けます。 ![]() 作品「糸」 ![]() 作品「在る」 作品「在る風景」(セット) 素材が土であることを忘れて、植物の花か葉か、海のマンタか、見る者の想像が様々に膨らみます。作品の緩やかな広がりから、新しいイメージの進展を予感させる作品です。 ![]() 屋外と室内が同じくらいの暗さに代わる頃には、畳の上に置かれた作品のシルエットは茶室で語り合うお茶人とお客に見えます。人と人との繋がりを大切に思う気持ちから、一期一会の縁を不思議に思える夕暮れ時でした。 ![]() 作品「在る風景」(セット) 今回の新しい試みとして、今まで片面のみの切り込みが両面に入っています。 ![]() 展覧会が始まった頃は赤い小さな新芽だった「出汐モミジ」が若葉に開きかけたのを見つけて感動される谷内さんにモミジの話をしました。ついつい調子に乗って、他の植物の事まで話したのは、様々なことに興味深くて、尋ね方がとても上手だからでした。 京都精華大学では、陶に興味を持ちながらテキスタイルデザインを学び、卒業後は躊躇することなく、奈良や京都で精力的に陶芸を学び、現在は個展やグループ展で作品発表を続けておられます。 緊張感を乗り越える強さを持ち合わせ、制作を続けられる条件に恵まれて、これからも大きく飛躍されることと思います。将来を期待しています。 最後の締め括りは、 京阪神エルマガジン社のウェブ「Lmaga.jp」のアート記事を紹介します。 『2008年の初個展以来、精力的に活動を行っている谷内薫。 彼女の作品は、表面を覆う無数のひだと、生き物のようなフォルムが持ち味だ。 以前の作品は貝類や軟体動物を思わせる生々しさを連想させる造形だったが、 最近は植物の葉のような平面的広がりが感じられるフォルムが目立つようになってきた。 オブジェとしても楽しめるが、器として花や果物を引き立てる姿もまた味わい深い。』 (美術ライター 小吹隆文) スポンサーサイト
04/15 22:32 | 展覧会 |