美術作家 三橋登美栄
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ギャラリー揺 シリーズ企画「移行」3
かのうたかお展「The Passion of Lovers」(2010.9.14~26)を終えて ![]() 展示作品 玄関 1 Crazy Little Thing Called Love 2 Jump 板間 3 Dreaming of You 2 Jump 4 Deep Peace 5 Beautiful Thing You 6 The Passion of Lovers 和室 7 Keys to Your Love 8 We’re in This Together 9 Sometimes I Feel So Lonely 庭 10 Here Comes The Moon 作品タイトルについて、 『作品は観賞者が観て想像するものなのに、そのきっかけになるタイトルにこだわって観てしまう。作家の言葉からの影響を受けないように「好きな音楽の題名」を作品タイトルに使用。』とかのうたかお氏から伺いました。音楽に詳しくない私は、曲からのイメージも無く先入観無しに自由に観賞しました。 ![]() 作品No4 粘土で外側(凹形)を創り、砂のような粉末 / シャモット(chamotto)を内側(凸形)に入れて1230度で焼成。焼き上がってから、シャモットに長石を入れて固まった部分を残し、シャモットのみの固まらない部分を取り除くと内側の造形が現れます。 ![]() 作品No5 かのうさんは青年海外協力隊員として西アフリカ ニジェール共和国で陶磁器指導をされました。日中は50度近くにもなる砂漠の国での2年半の滞在生活を想像できませんが作品から追体験してみました。 サハラ砂漠の砂に何か未知の世界の存在を確信したなら、何処までも掘り下げて行きたい欲求に駆られ、行為そのものに意味を見つけられるくらいの感動から、この遺跡発掘のような作品が生まれたと解釈しました。作品の内側を覗くと、過去の栄華が階層状に消え去った古代文明の遺跡の内側を見るようです。 ![]() 作品No6 オブジェ作品と伝統的な器物の両立の難しさを思いますが、かのうさんは今後も双方を制作することで上手くバランスを取って作家活動を続けて行かれるようです。 ![]() 作品No7 和菓子・落雁のような表情の三日月が畳に似合います。 ![]() 作品No8 地球ではない何処かの宇宙の星に遺跡が存在するとしたら、、、 ![]() 作品No10 揺の石畳に中秋の名月が降りて来ました。「真夜中に本物の月明かりに照らし出されたこの満月は、淡く立体的に浮かび上がりとても幻想的!」は会場2階のお姉さんの感想です。 最終日の搬出前に、かのうさんを囲んで、今回のシリーズ企画参加者をお誘いして関係者のみのささやかな観月お茶会を楽しみ、当ギャラリー5周年の記念日にしました。 良い展覧会をありがとうございました。 スポンサーサイト
10/14 21:42 | 展覧会 |