FC2ブログ
瀬戸内国際芸術祭2010  2010年8月24日~25日
瀬戸内国際芸術祭2010  2010年8月24日~25日
……………………………………………………………..
24日 京都→岡山→高松→女木島→男木島→高松→小豆島(泊)
25日 小豆島→豊島→高松→岡山→京都
……………………………………………………………..
24日 5:30起床、洗濯、姉の食事の準備をして6:30自宅を出発。今日から夫と1泊2日で瀬戸内の島々へアートをめぐる旅に出かけます。JR膳所駅を6:38に乗り、京都駅で新幹線ひかり491号広島行7:20に乗り換え、朝食用の駅弁「やさいたっぷり幕の内弁当」をゆっくり食べ終わると、間もなく岡山駅8:25に到着。ここから快速マリーンライナー13号岡山駅8:41→(1470)→高松駅9:39に到着。高松港には作品No2 大巻伸嗣「Liminal Air –core-」があります。ここから芸術祭が始まるゲートのようにも見える柱2本は鏡面仕上げで、角度や時間、状況によって多様な表情を見せます。
フェリー「めおん2」に乗船、高松10:00→(200 約20分)→女木島に到着します。

 zip
乗船中に運良く作品No34 鈴木康弘「ファスナーの船」運航を見られました。ファスナーの留め具の部分に見えるように船を改造し、会期中は女木島と高松の間を行き交い、鑑賞者も乗船できるそうです。水面を進んでいく船の軌跡が、まるでファスナーで海を開いて行くイメージを表現しています。
女木島到着後、荷物を預けてバスで洞窟へ向かいます。(往復600 約2,3km)女木島は別名「鬼が島」とも呼ばれ、鬼が住んでいたとされる「鬼の大洞窟」があります。ここに作品No43 サンジャ・サソ「鬼合戦、あるいは裸の桃の勝利」があり、真鍮ワイヤー製の彫刻を展示しています。
洞窟の近くの草薮にある作品No41 ロルフ・ユリアス「緑の音楽」はサウンドインスタレーションで女木島周辺で採集した音を聞きます。

kusagi
小高い丘の上の展望台からは、高松の五色台方向が眺められ、猛暑に負けずクサギの花が元気に咲き甘い香りが漂っています。汗を拭き拭き下山して11:45のバスで港まで戻ります。

exist
昼のお食事処を捜して入ったレストランに作品No38 レアンドレ・エルリッヒ「不在の存在」があります。客どうしが出会い、食べることを共有できる空間を創出。足跡が現れたり消えたりする石庭《見えないもの》や、見える人の姿を映さない鏡のある《二重の茶室》があり、不思議な体験をして、海老が3匹も入ったサンドイッチを食べて満足のランチタイムです。

piano
海岸の砂浜に置かれた作品No35 禿鷹墳上「20世紀的回想」は一台のグランドピアノとその上に立つ4つの帆で構成されるインスタレーションです。停泊している船のようにも見える作品から音楽が流れ、目の前に広がる海の波の音と呼吸しながら、1つの旋律を奏でます。堤防の上の作品No40 木村崇人「カモメの駐車場」は風が吹くと、風見鶏がいっせいに同じ方向に動くことで目に見えない風の形を視覚化しています。

stone wall
海岸には「オオテ」と呼ばれる冬の強風をよける石垣が築かれ、その内側に集落が広がります。すぐ近くの石垣内に作品No36 愛知県立芸術大学アートプロジェクトチーム「愛知芸大・瀬戸内アートプロジェクト」があります。土屋公雄氏を中心に、空き家とその中庭を整備して、中庭には母屋からつながるステージを設け、コンサートなどが催されます。

fukutake
作品No37 福武ハウス2010「世界のギャラリーとスペシャルプロジェクト」を観ます。
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006」から始まった「福武ハウス」が場所を移してこの芸術祭に参加。現在休校中の女木小学校と旧保育所を会場に国内外のギャラリーがアーティストの個展をそれぞれ行っています。音楽室に展示されたビル・ヴィオラの映像2作品が印象に残ります。

balance
作品No39 行武治美「均衡」は改修した納屋の内部に、手作業で削り出した1万個以上のミラーガラスを張り巡らせてあり、映り込む風景に迷います。
女木島で10点余りの作品を観て、女木港14:20→(200 )→男木島14:35に向かいます。

soul
男木港の波止場には、人々が集う交流館として、貝の形から発想した建物があります。作品No43 ジャウメ・プレンサ「男木島の魂」は半透明の空間で、屋根には日本語やアラビア語、ヘブライ語、中国語などのさまざまな文字が並び、日中はその影が地面に映ります。夜には空に向かって投射する光景が広がるそうです。

oiwajima
先ず港近くの作品No43 大岩オスカール「大岩島」は記憶に基づいて海や島のイメージを絵画化。旧公民館の広い空間で、スクリーンより大きなサイズの1枚の紙で表現してあり、この写真中央より左は鏡像で、画面は奥行き深く見えます。

storehouse
平地の少ない急傾斜の男木島で、猛暑と戦いながら迷路のような路地と石段を登り、作品No49 北山善夫「誕生-産殿-性-生-死-墓-男木島伝説」を2会場で沢山の作品を見ます。小さな倉にも良く合うインスタレーションです。

grass
これも作品に見えませんか?あちこちに空き家があり、夏草が生い茂る様子は、時に生け花の域を超えた「草の強い美しさ」に感動します。
波止場近くにある作品No52 西堀隆史「うちわの骨の家」は、香川の伝統的手工芸品である、うちわに着目して、竹製のうちわの骨を組み合わせ、もとは駄菓子屋だった空間に設置するインスタレーションです。

sunset
男木島で約10点の作品を観て、フェリーで男木港17:00→(300 約40分)→高松港に戻り、急行フェリーで高松港を17:50に乗船し小豆島に向かいます。
船のデッキに乗船客は少なく、沈む夕陽の中で風景に染まりながら、行き交う様々な船、島々のシルエットを眺める風景から、瀬戸内の島の人々の暮らしを想像します。予定時間をオーバーして小豆島土庄港に19:00頃到着。運良く来た路線バス福田港行きに乗ってバス停・馬越で下車しますが辺りは真っ暗で不安になり、今夜宿泊のホテル・オリビアンに連絡して送迎バスに迎えに来てもらいます。
ホテル到着早々、夕食はバイキングで、19:45~21:00の間にゆっくり、少量づつ食べよう、と気をつけていたはずなのに、土地の名物・讃岐うどんを食べる頃は胃が苦しくなるくらい食べ過ぎていました。長い暑い一日の疲れを露天風呂で癒し、23:00に就寝します。

25日
6:30起床、入浴後、7:30から朝食で9:00ホテルを出発。
限られた時間内に沢山の作品を観たい夫の提案で、今日はタクシーチャーターです。
先ず作品No69 岸本真之「つぎつぎきんつぎ」は地域住民に呼びかけて家庭で捨てられずにある食器を集め、陶磁器修復技術「金継ぎ」によってそれらをつなぎ合せ、新たなオブジェとして再生しています。

bamboo
次は作品No67 ダダン・クリスタント「声なき人々の声」はインドネシアのバリ島で多くの農家が作る竹笛の一種「スナリ」を模した作品で、竹の節に穴を開け、棚田に展示。只今制作中のところもあります。

dome
作品No66 王文志「小豆島の家」は竹を編み、曲がりくねった通路と米の形をした4つの巨大なドーム空間からなる家です。
作品No63 安岐理加『島―人が島を夢想するとき「森」「径」「泉」』は肥土山と中山地区を結ぶ川沿いの3カ所に作品を設置しています。あぜ道に立つニッキの木に取りつけられた小さな箱が風景を切り取る作品「森」のほか、木陰の道や、かつてひとが集まった田んぼのなかの水場にささやかな仕掛けを施しています。
作品No64 丹治喜彦「海を繋ぐもの」は瀬戸内海で漁に使用される網と丹治が暮らす新潟で使われていた網を組み合わせて作品化したものです。

stage
小豆島の棚田風景の中に肥土山農村歌舞伎(有形民俗文化財)の舞台、高座、衣装倉、桟敷席があります。社祠(離宮八幡神社)への奉納歌舞伎として毎年5月に上演されます。

scarecrow
最近は見なくなったカガシが棚田に立っています。

soil
作品No62 栗田宏一「土と生命の図書館」は廃校の図書室に瀬戸内海の随所で採取した土を幾何学的なパターンで展示しています。海や河川に沿った約350もの市町村にある畑や田、崖などから集めた土は600種類に及び、煩雑で多層的な瀬戸内の風土を視覚的に浮き彫りにしています。
作品No61 河口龍夫「心の巨人」は旧米倉庫を活用したインスタレーションです。室内の壁に、銅線の先に蓮の種を取りつけて、蜜蝋で覆ったパーツを無数に設置しています。
タクシーで効率よく7点の作品を見て廻りホテル・オリビアンまで送ってもらって料金は約7000です。ホテル送迎バス11:35で土庄まで行き、港前のOHKIDO HOTELでの昼食はオリーブ素麺です。
土庄港を13:10(470)の船に乗船して豊島唐櫃港に13:20到着。
唐櫃港待合所の人の勧めもあり、レンタサイクルを1時間借りて出発。

heartbeat
海に面した松林のなかに小さな美術館が出現します。作品No33 クリスチャン・ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」は、心臓音に合わせて電球が明滅する作品の展示室や、世界中で集めた心臓音が聴ける視聴室、希望者の心臓音を採録する録音室で構成されています。島の自然に溶け込むような海岸線の風景のなかにある、小さな人間の記憶保管所は、1万を超える心臓音が永久に保管されます。
作品No32 大阪芸術大学豊島アートラボ「ノリとたゆたう」は閉鎖された海苔工場の室内に枯山水にヒントを得た小さな庭と縁側を設置しています。寝転んだり座ったりできる庭は、触覚や浮遊感など鑑賞者の感覚を刺激します。
作品No20 オラファー・エリアソン「ビューティー」は豊島石を用いた築100年の倉に設置しています。「美」という根源的なテーマを提示するこの作品は、空気、水、光を感じ、人工の霧に浮かび上がる虹を、人が見ることによってはじめて成立します。
港に戻り自転車を返して、無料の循環バスに唐櫃港を14:50に乗車します。10月17日から観賞可能な作品No26 内藤礼/西沢立衛「豊島美術館」のバス停で数名が下車。この作品の関係者でしょうか?次のバス停千代田池14:55で下車します。
作品No21 安部良「島キッチン」は食とアートをつなぐプラットホームを展開しています。たくさんの出会いを生む広場を設計し、人々をもてなすための作品を作ることで、豊島を起点にひととのつながりを広げる試みがされています。
作品No22,27,28,29,30,31将来プロジェクトはピピロッティ・リスト、藤本壮介、日比野克彦、Team Bank Art Setouchi、林舜龍、内田晴之のメンバーで、長い時間をかけて計画を進め、今後の実現を目指しています。今回はプランのみの展示です。
バス停千代田池に戻り15:35に乗ってバス停森万里子作品前で15:40下車。

 entrance
草木が生い茂る小道を5分位登ると、作品展示場所に着きます。

 monument
作品No14 森万里子「トムナフーリ」。トムナフーリとは古代ケルトにおける霊魂転生の場のことで、この伝説から着想し、ガラスのモニュメントを制作。この作品とスーパーカミオカンデをコンピューターで結び、超新星が爆発すると光を放つそうです。
バス停森万里子作品前を16:20に乗車して家浦港に16:27に着きます。

 restaurant
作品No11 トビアス・レーベルガー「あなたが愛するものは、あなたを泣かせもする」は空き家を改装したレストランを開店。この空間そのものが作品で、床や壁、テーブルなどには第一次世界大戦時の船に用いられた迷彩柄をモチーフとした装飾があしらわれています。
作品No12は 木下晋「101歳の沈黙/100歳の手ほか」です。小林ハルさん(享年106歳)は、生前は最後の瞽女として知られ、彼女の晩年の姿を9Hから9Bまでの20種類もの鉛筆によるグラデーションを駆使して描き出された複数の絵画を家浦に残る古民家に展示しています。豊島では8作品を見ました。
家浦港を17:20の高速船・豊島フェリーで高松港18:00に到着(1300)

 PROM
今回最後に見た作品はNo1 椿昇「ピー・アール・オー・エム」です。かつて高松港管理事務所だった建物がミラーパネルで覆われ、周囲の風景と同化します。その内部ではカフェや時刻表などの多様な痕跡をレリーフ状にして展示。高松を母港に往来した人々の記憶を呼び覚ます大がかりな試みです。
椿昇氏「P.R.O.Mの旅」の文章一部引用します。『次に映像のご説明です。この映像は建物の内部に残された滲みやガラスなどを写真撮影したものをランダムに投影します。この映像はすべて内部に残された痕跡から採集しました。また画像認識と二酸化炭素という二つのセンサーが、この映像をリアルタイムに動かしています。画像が溶けて流れるのは内部の鑑賞者の姿をセンサーが認識するからです。また荒れた海の映像は、丸い小さなCO2センサーが観客の呼気を感知して800ppmを超えた時に現れ1000ppmを超えると、建物も海岸の構造物もすべてが消えた原始の海が登場します。建築を鏡でリアルに消しながら内部の映像でバーチャルに建物を消すという二重の消去がこの作品の狙いとなっています。』
個人的な過去の記憶と重ねて再考を試みますが、猛暑の疲れを理由に、消え去った私の過去の時間を不思議な世界に置きかえる難しさに佇んでいます。現代美術の面白さと背中合わせの難しさを芸術祭の中に感じながら、2日間に観て廻った作品は約37点になりました。
快速マリンライナーで高松駅18:40→(1470)→岡山駅19:33、新幹線のぞみ東京行きに乗り換え岡山駅20:09→京都駅21:14に着き帰宅は22:00前でした。

スポンサーサイト



08/29 14:41 | 展覧会
template design by takamu
Copyright © 2006 Mitsuhashi All Rights Reserved