美術作家 三橋登美栄
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鍬田正義写真展・蝉丸神社・佳山 2021.4.13
「午後からは強い雨に注意!」の天気予報を気にしながら、お昼から2人で京都駅までお出かけ。京都駅ビル内で和久傳の味を気軽に味わえる「はしたて」で昼食です。 ![]() 鯖寿司セット 鯖寿司、炙り鯖寿司、鯛のお造り、だし巻き、はじかみ生姜、筍、葉物のおひたし、味噌漬けのキュウリ、お味噌汁。隣のお客は名物の蓮根餅の笹を楽しそうに開けておられました。 次は、JR京都伊勢丹7階隣接の美術館「えき」KYOTOで「鍬田正義写真展」を鑑賞。 ≪時間~TIME BOWIE×KYOTO×SUKITA≫ 1972年、ロック・ミュージシャンのT-REXを撮影しに行ったロンドンで、写真家・鋤田正義はデヴィッド・ボウイと出会い、翌年には彼のワールド・ツアーに同行。以来、二人の関係はボウイがこの世を去るまで約40数年間に及んだ。ボウイは大の親日家で、京都にも何度か訪れた。1980年のある日、鋤田はボウイとプライベートな時間を京都で過ごすことになるが、その時間は今も強烈に鋤田の心に残っている。鋤田は、過去の時間を整理し再び心に刻むため、ボウイが愛した京都を撮り始めた。本展は、当時京都で撮影したデヴィッド・ボウイの姿と今の京都を撮りおろした作品で構成する。時空を超えて二人の旅が始まる…。 ………………………………………………………………………… 写真展鑑賞の次は、雨雲レーダーを確認しながら近江に向かいます。京阪京津線大谷駅で下車して、ここから蝉丸神社(上社、下社、分社)の三社巡りのスタートです。蝉丸神社は、822年に小野岑守(おののみねもり778~830年)が旅人を守る神とされる猿田彦命・豊玉姫命を逢坂山の山上(上社)と麓(下社)に祀ったとされ、平安時代中期蝉丸が逢坂山に住んだことで歌舞音曲の神として祀られ信仰されるようになったそうです。 ![]() ![]() ![]() 平安時代以前に、逢坂関(おうさかのせき)は、山城国と近江国の国境の関所で東海道、中山道、北陸道より国内最大の貨客が集まっていました。京の玄関口にあたり、東海道の大津宿、札の辻より峠越えにより、三条通に通じる軍事的な要所でもありました。 蝉丸(せみまる、生没年不詳)の小倉百人一首に収録されている「これやこの 行くも帰るも分かれては 知るも知らぬも逢坂の関」の和歌で知られています。蝉丸は平安時代前期の歌人で皇室の血筋を持っていた、盲目の琵琶法師だった、単に乞食だったなど諸説ありますが詳細は不明。だが逢坂の関に庵をむすんで歌を詠んでいたのは事実のようで「坊主めくり」で子供の頃からおなじみの人物です。 ![]() 現在、逢坂関跡は国道1号線が走り当時の面影はありませんが、昭和60年代頃までは検問所の建物が建ち、大型トラックの過積載検問が行われていていました。普通車の屋根に大きな絵のキャンバスをロープで結わえて走行していた私は2人の警官に止められて検問を受け、ロープを締め直しました。その後、廃止され現在は石碑が建つのみです。 ![]() ![]() 逢坂山の土手に群生するニガイチゴ? 国道一号線を琵琶湖の方に下って行くと、関蝉丸神社上社の長い石段が目に入ってきます。 ![]() ![]() ![]() ![]() 丁度満開の石楠花に出会えました。優しいピンクの花々は蝉丸さんへのお供え花。 ![]() ![]() 旧逢坂山隧道東口 この隧道は明治11年10月5日東口から、又同年12月5日西口からそれぞれ掘削を始め、約1年8ヶ月の歳月を費やして明治13年6月28日竣工したもので、大正10年8月1日線路変更により廃線となるまで、東海道本線の下り線として使用されていたものです。全長664.8mにおよぶこの隧道は日本人技術者が外国技術の援助を得ずに設計施工した、我が国最初の山岳隧道として歴史的な意義をもつものです。 ![]() ![]() シャガ シロバナオドリコソウ ![]() 高観音近松寺の赤い石楠花が可憐です。 ![]() ![]() 関蝉丸神社の参道を京阪電車が横切ります。これは全国でも珍しい風景でしょう。 久しぶりに訪れたところ、社務所は取り壊されていて更地になり、社殿の老朽化が進み修繕中のシートが掛けられていました。現在「関蝉丸芸能祭の開催を機に神社再興へ」の御鎮座1200年記念事業を立ち上げて修復・境内整備のご奉賛を募っておられるところでした。 ![]() 関蝉丸神社の時雨灯篭(重要文化財) 花崗岩製の六角型石灯籠です。最上の宝珠と受花は後補。基礎と中台の蓮弁は単弁とし、竿の中ほどに蓮花と珠文帯、火袋は簡素な造りで、笠の蕨手(わらびで)は鎌倉時代の特色をよく表しています。 ![]() 午後6時前、今日の目的地のお食事処に到着です。関蝉丸神社の鳥居横、京阪電車の線路沿いにある古民家をリノベーションした割烹料理・佳山(カセン)。1階はカウンター席、2階のテーブル席からは京阪電車を眺めながらお料理を頂けるそうです。オーナーの安江洋造氏は元祖板前割烹で有名な京ぎをん浜作で修業されたと伺いました。 ![]() 先ず、生酒 EMISHIKI Sensation 笑四季でスタート ![]() ① うすい豆腐、うすいえんどう豆、二十日大根、自然薯、雲丹、山椒の葉を天盛 ![]() オーナーが、目の前で藁を燃やして鰹を炙ります。このオーナーの高校時代の同級生にお誘い頂いてやって来ました。同級生が板前さんって良いですね。幸せが広がります。 ![]() ② 和歌山の鰹藁火焼きたたき、大葉と茗荷入りのおろし大根にカイワレ大根添え ![]() ③ 椀物 自家製蛤のしんじょう、菜の花、撚り人参、山椒の葉 ![]() ④ 海老、キクラゲ、人参入り自家製飛龍頭(ヒリョウズ)、朝掘り筍、蕗、山椒の葉 ![]() ⑤ 焼き鰆、木の芽田楽味噌、コゴミ、そら豆 ![]() ⑥ イトヨリ、筍、スナップエンドウのフライにソース添え ![]() ⑦ 筍の姫皮と大根葉の和え物、評判の熱々だし巻き、塩昆布、お味噌汁、ご飯 ![]() ⑧ デザート 苺、キウイ、パイナップルのゼリー寄せ、手作り落雁、抹茶 新鮮な旬の食材を丁寧に仕込み、奥が深い京風薄味の旨味を堪能させて頂きました。私には多過ぎる数々のお料理をたっぷり頂き、満腹過ぎて苦しいはずなのに爽やかなのが不思議です。 今日の散策にお付き合いくださった同級生さん、贅沢な時間をお福分けくださってありがとうございました。(三橋登美栄) スポンサーサイト
04/15 23:38 | 日々 |