美術作家 三橋登美栄
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京都芸術大学通信教育課程 大学院生(陶芸)展 (2021.3.9~14)を終えて
《出品者 8名》 清水六兵衞先生、芥川宏、江原英子、倉賀野芳史、澁市俊文、添田優子、西岡康雄、前川直之。 大学院生修士課程1、2年生の作品と清水六兵衞先生の作品、総計26点の展覧会です。 ![]() ![]() ![]() ![]() 作品 「光を放つ多肉植物」 コメント : ふくよかでぼってりした肉厚な葉、茎、根に水分と栄養分を蓄え、夜に気孔をあけ、ひそかに呼吸する植物の生きる姿を、光と染付を使って表現してみた。(添田優子) ![]() 作品 「内なる時間」 コメント : コロナ禍の中、いろいろな意味で空間や時間の制約がありました。その様な状況を陶箱の形を借りて表現しました。(清水六兵衞) ![]() 作品 「碗 / 鉢 / 酒器」 コメント : 坏土や釉薬の原料である長石を単味で素材として扱っています。成形や焼成に難がありますが、陶磁器とは違った質感が特徴です。(前川直之) ![]() ![]() ![]() 作品 左から「①麗子、②ハナコ花器、③志津子」 コメント : ①華麗なる人魚オブジェです。カレイ、ヒラメ類は脊椎動物としては大変珍しく左右非対称です。この人魚は目が右にありますのでカレイ型です。②ハナコは未来の人類の象徴として創ったキャラクターです。彼女にとってはこれが最もリラックスするポーズです。③シュールレアリズムの巨匠、マグリットのオマージュ作品です。マグリットはタラのような魚の形をした逆人魚を絵画に表現して人々の固定観念を覆しましたが、それとは違ってオコゼ形の逆人魚オブジェです。(芥川 宏) ![]() 作品 「連鎖」 コメント : 人は文明を高度に発展させたとも言えますが、道端の草が普通に行っている光合成を再現することすらできていません。地球を支配しているようでいても自然のいろいろなものにぶら下がって生きているのです。そのような様を吊り下げ構造の磁器パーツの組み合わせで表現しました。(芥川 宏) ![]() ![]() 作品 左から「筆洗、深鉢、一輪挿し、茶碗、宙・X」 (西岡康雄) ![]() ![]() ![]() 作品 1列目左から「①君子蘭、②花菖蒲、③和紙染め」 2列目左から「④翡翠、⑤萌え出るエネルギー、⑥希望の鳥」 コメント(技法) : ①下絵具での釉下彩、②色釉と下絵具での釉下彩 ③呉須での和紙染め、④呉須の下絵と九谷の上絵でカワセミの様々を描いた ⑤内側から生命エネルギーが湧き出るかのように表現 ⑥鳥をデザイン化し、九谷焼で表現 (江原英子) ![]() 作品 「3つの停止原器 / M.D.H」 コメント : マルセル・デュシャンへのオマージュ作品です。デュシャンは3本の紐で偶然を原器に閉じ込めました。陶芸は焼成で作品を作ります。温度変化の偶然の形を原器で閉じ込めてみた作品です。(澁市俊文) ![]() 作品 「水辺の情景」 コメント : カワセミとフクロウと鮎で水辺の情景を表現 (江原英子) ![]() ![]() 作品 「胚胎」 コメント : 一つの卵が命となった姿を、生命の始まりとして表現しました。(倉賀野芳史) ![]() 作品 「曜変碧彩瓶」 (西岡康雄) ![]() 作品 「宙・Y」 (西岡康雄) ![]() 庭に数羽のメジロが飛来。宗旦椿の枝につかまり、揺れながら花の蜜を吸っていました。 ![]() ![]() 夕陽が落ちて辺りが暗くなると、室内展示作品がガラス戸に映り込んで2重に見えます。更に庭の作品と重なり合って、幻想的な空間が出現しました。 京都芸術大学通信教育課程 陶芸コースは初めて土に触れる人も学習できるカリキュラムと、自宅に窯のない人も制作できる課題提出方式があります。器から造形作品まで各自の感性を重視した指導を受けることができます。このグループ展にご参加された方々は4年間の陶芸コースを卒業後、大学院に進学された皆様です。そして今後も意欲的に制作を継続されることと思います。新作拝見を楽しみにしています。(三橋登美栄) スポンサーサイト
03/17 14:59 | 展覧会 |