美術作家 三橋登美栄
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group92/80/71展を終えて
2009年に番画廊(大阪)で「group81」の第一回展を開催。その後毎年開催し2013年「group85」展まで5回続きました。その「group」の名前を引き継ぎ、参加メンバーの変更が行われて、2014年から「group86/74/65」に改名してギャラリー揺(京都)で再開。今年で7回目、通算12回目になります。(展覧会名の86/74/65はその開催年の3作家の年齢を示しています。) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 2017年に訪れた浪江町は白一色の平坦地だった。所々に見かけた小さな家は、白色の中に埋没し 白い立体として地面の凸になっていた。何という風景この世のものとは思えぬ印象、事故後9年あの風景は今もシュールなままなのだろうか。コロナウイルスは何色でまう。(林 康夫) ![]() ![]() ![]() 木村秀樹 A Piece of Cake 1(右側)、A Piece of Cake 2 ![]() 「アクリル絵具のスキージング絵画」(Squeegeeing Acrylic on Canvas)のシリーズから出品します。皮膜の積層というシルクスクリーンの基本的生成様態を、絵画にシフトさせる事で、未見の違和の発生を期待しつつ探っています。四角いブルーの色面を、半透明の乳白色の面が被っています。3Dソフトを用いて作成した、ノコギリ型の屋根を持った工場を、上空から眺めた光景です。(木村秀樹) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 初めて版画に携わったのは友人に勧められたリトグラフだった。あれから半世紀が過ぎ、ふと、その時代を検証したくなり、この度は友人のスタジオで助けを借りて石版石に取り組んだ。当然のことながら時代は凡ゆる手順を変えて記憶していた経験は過去のものになっていた。このMr. moonシリーズも制作時はシルクスクリーン技法であったが、過去の肖像画としてのリトグラフとして再現し残すことにした。(中馬泰文) ………………………………………………………………………………… 京都新聞 2020年9月5日(土)美術版 アートスクエア ≪掲載記事≫ それぞれの分野で独自の境地を開いた林康夫、中馬泰文、木村秀樹による「group92/80/71」展が、ギャラリー揺(京都市左京区銀閣寺前町)で開かれている。 展覧会名の数字は、各人が今年迎える年齢を示す。最年長で陶芸家の林は、東日本大震災の被災地で受けた衝撃が制作動機になった「東北」シリーズを出品した。人生を仮の住まいに託した「寓舎」シリーズの延長上にある作品ながら、詩情漂う「寓舎」と印象はかなり違う。 林によると、津波で平地と化したところにわずかに残った福島・浪江町の廃屋が、復員時に見た広島の夜景と重なったという。ゆがみ汚れた壁、傾いた戸。会場の各所に展示された作品から、一瞬で住まいや命が失われた事実の重みが静かに提示される。 一方、中馬はかつて制作したシルクスクリーンの作品を、リトグラフで再現する試み。木村は、リトグラフの手法を取り入れた「アクリル絵画のスキージング絵画」シリーズを出品した。13日まで。月休。無料。 ………………………………………………………………………………… 5月5日~5月17日にgroup92/80/71展を開催する予定でしたが、コロナ禍の影響を受け、9月1日から延期開催しました。 猛暑にもかかわらず、マスク着用で大勢の方々にご来廊頂き、とても興味深くご高覧くださったことを嬉しく思っております。ありがとうございました。(ギャラリー揺 三橋登美栄) スポンサーサイト
09/16 22:15 | 展覧会 |