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group90/78/69展(2018.5.8~20)を終えて
group90/78/69展(2018.5.8~20)を終えて

何をするにしても金(かね)がかかるのがこの世の中。いま評判の映画を見たければ、お金を持って映画館に行かなければならない。演劇、舞踏、音楽など舞台やホールで楽しむには一万円札を用意する必要もある。一人静かに、今年の芥川賞の小説を読もうとすれば、本を買わなければならない。芸術を鑑賞するにもお笑いに腹をかかえるにも、まず金が要る。
だが、そうではない世界がある。美術という分野だ。例えば彫刻は上野の西郷さんや渋谷のハチ公はさておいても、気をつけてみれば町のあちこちに立っている。飽きるほど眺めてもタダだ。一億円の野外彫刻も大阪にはある。
絵はギャラリーをのぞけばいい。新人からベテランまでいろんな絵が見られる。もちろん彫刻や工芸品などもふくめて、どの画廊でも基本的に入場無料で、ふらりと出入りできる。そうすることで目を養って ふところに余裕が出来れば、まず版画の1点でも買えばコレクターへの第一歩だ。(高橋 亨)

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≪展示作品≫
林 康夫
1 寓舎‘17-Y    
2 寓舎‘17-a  
3 寓舎 少年兵の碑 T(グレー)
4 寓舎 少年兵の碑 I (グリーン)
5 寓舎 少年兵の碑 F (ブルー)
6 陶板(2片組 黒 ブルー)

中馬泰文
イ easy open ends XA
ロ easy open ends XB
ハ easy open ends XC
ニ easy open ends XD
ホ easy open ends XE

木村秀樹
A Misty Dutch 71
B Grid November

CIMG9893.jpg 展覧会場

CIMG9895.jpg 展覧会場

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林 康夫「寓舎17-Y」        林 康夫「寓舎17-a」
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林 康夫「寓舎 少年兵の碑 T」   林 康夫「寓舎 少年兵の碑 I」
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林康 夫「寓舎 少年兵の碑 F」
これらのオブジェは、二つの部分から成り、それぞれ動かすことができます。動かすことによって幾通りもの造形が可能となります。

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20180508kimura.jpg 木村秀樹「Misty Dutch 71」

P5100099.jpg 木村秀樹「Grid in November」
1972年以降の自身の制作を振り返り、夫々の時期のコンセプトや方法を再検証する意味を込めて、新作シルクスクリーンの制作を続けています。今回の出品作もそのシリーズからのものです。
ピエト・モンドリアンの作品画像をコンピュータに読み込み、アプリケーションで変形を加えています。モンドリアンがモンドリアンでなくなる、ギリギリの線を求めています。(木村秀樹)

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P5110112.jpg P5110115.jpg
中馬泰文「easy open ends XA」  「easy open ends XB」
P5110116.jpg P5110119.jpg
中馬泰文「easy open ends XC」  「easy open ends XD」
P5110123.jpg
中馬泰文「easy open ends XE」
友から小さなエッチングプレス機が手元に届いた。眺めていると五十数年ぶりに動かしてみたくなり、手近にあったボール紙を版にcollagraphで素描を試してみた。
プレスされた画は帰還した日常に溶け込んでいるように思えた。(中馬泰文)

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P5100101.jpg P5100102.jpg
林康夫作品「陶板(2片組 黒・ブルー)」
揺さんでの3人展も度重なり、会場に馴染んできたように思います。一方、それなりにマンネリ化の気分を警戒しなければと思いつつの制作です。寓舎の深化の思案を図りながらも、身体的な問題が対応の幅を狭めるので、妙なストレスとのたたかいが増幅している昨今です。(林 康夫)

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京都新聞2018年5月12日朝刊(美術欄・ギャラリー)
Group90 / 78/ 69展(揺=銀閣寺前町20日まで 月休)陶芸の林康夫、絵画の中馬泰文、版画の木村秀樹による3人展。齢(よわい)90,78,69になる巨匠たちだが、作品は軽妙で若さがある。庭に置かれた林の陶板の美しさは鮮烈。(平田剛志・美術評論家)

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※  group90 / 78 / 69 展と同時開催の中馬泰文展(なかむら)の新聞記事の紹介です。

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京都新聞2018年5月19日朝刊(美術欄・ギャラリー)
中馬泰文展(なかむら=姉小路通河原町東入3日まで 月休)プルトップと呼ばれる缶のふた(正式にはイージーオープンエンド)をモチーフに、シルクスクリーン版画と日本画の画材をミックスした新作を発表。知性と稚気をユーモアで包んだスマートな作品が持ち味だ。(小吹隆文・美術ライター)

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早いもので,毎年開催のこの展覧会も今年で5回目。
爽やかな新緑の季節にgroup90/78/69展を開催できたことを大変嬉しく思っております。(ギャラリー揺 三橋登美栄)


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05/22 09:29 | 展覧会
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