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柏井裕香子展 ―晴子―(2016.5.31~6.12)を終えて
柏井裕香子展 ―晴子―(2016.5.31~6.12)を終えて

≪展示作品≫
1 種蒔きの唄    
2 七月
3 四月
4 1歳の背負子
5 十二月
6 ようこそ、トコシエ・ミルク郷へ
7 晴子の小部屋
8 ゆりかごの唄
9 十月

展覧会場
展覧会場

作品「種蒔きの唄」 作品「種まきの唄」
素材:絹(古布)寒冷紗 合成顔料  技法:友禅染 ステンシル
北アルプス立山連峰の山肌に僧侶と馬の雪絵(雪形)が現れると、地元では田植えが始まるそうです。

作品「四月」 作品「四月」
素材:木綿 タオル地 合成顔料  技法:ステンシル 刺繍

作品「ゆりかごの唄」 作品「ゆりかごの唄」
素材:木綿 寒冷紗 合成顔料 反応性染料  技法:筒描き染 友禅染 ステンシル

この展覧会の案内状に「娘のとなりで 月日をかさね 私は母になっていく」と柏井さんの思いが記されています。子育てを体験し、大きな愛情を掴んでこの斬新な作品が生まれました。

作品「十月」 作品「十月」
素材:木綿 皮 合皮 合成顔料 技法:ステンシル
上に二本、下に二本の乳歯がお菓子をほおばって笑っています。


作品「一歳の背負子」 作品「1歳の背負子」
素材:古布 絹 木綿 ウール 麻 合成顔料 日本画顔料  技法:ステンシル 刷毛染 刺繍
一歳まで成長したことを祝うと同時に、赤ちゃんに「一升餅」と呼ばれる餅を背負わせる行事があります。これは、人間の一生と餅の一升をかけて、「一生丸く(円満に)長生きできるように」とか「一生食べ物に困らないように」などという願いが込められています。

柏井さん 作品「晴子の小部屋」
素材:寒冷紗 木綿 絹 レーヨン 反応性染料 合成顔料  技法:浸染 刷毛染 パッチワーク
作品の説明をされる柏井さん

作品「十二月」 作品「十二月」
素材:木綿 オーガンジー レーヨン  技法:ステンシル パッチワーク

作品「ヨウコソ、トコシエ・ミルク郷へ」
作品「ようこそ、トコシエ・ミルク郷へ」室内側
素材:木綿 寒冷紗 合成顔料  技法:友禅染 ステンシル

作品「ヨウコソ、トコシエ・ミルク郷へ」
作品「ようこそ、トコシエ・ミルク郷へ」庭側
体内で胎児の生命が大きく成長しています。命が誕生する前の充実感や、赤ちゃんを出産する前の幸福な気持ちが暖簾の奥から観えます。日本の人口が減少し続けている現代に、多くの女性に観て頂きたい展覧会でした。(三橋登美栄)

京都新聞2016年6月4日朝刊(美術欄・ギャラリー)掲載記事
≪柏井裕香子展≫
10年間住んだ愛知県から郷里の富山県黒部市に移住し、子を授かった作家が、郷里での暮し、子育て、母になっていく自覚をテーマに染色作品を制作。日々を慈しむ気持ちがにじみ出た作品だ。(小吹隆文・美術ライター)

最後は柏井裕香子さんの文章で締めくくらせて頂きます。
≪ 個展 ー 晴子 ー を終えて≫
今回が揺さんでの初めての展覧会でした。風がとおり、太陽光が変化する。もとは住居だったという、その暖かみのある空間は、柔らかな布との相性がとても良く、作品をいきいきとさせてくれているようでした。『人』と『暮らし』をつなげるテキスタイル、その魅力と存在感の大きさに改めて気付かされたように思います。 また、私にとって出産後初めての活動ということも、印象深く残りました。揺さんから個展のお話しをいただいたのは2年前のこと。個展を決めてからの2年間で私は、妊娠と出産を経験しました。この展覧会のタイトルにもなった娘・晴子との日々は毎日が愛おしいものでした。一方で子育てと制作の両立は難しく、家族の協力と理解無くしては決して実現していなかったでしょう。大切な人たちとの暮らし、あたりまえの幸せがあるからこそ、その一瞬一瞬をかたちあるものに残したいという気持ちが芽生え、私を制作に駆り立ててくれました。私は今後につながる大きなテーマをこの展覧会をきっかけに頂く事ができたと思います。機会を与えてくださった三橋さん、そしてご来場いただいた方々にこの場をお借りして感謝申し上げます。またいずれお会いできることを願って。(柏井裕香子)



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06/16 23:34 | 展覧会
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