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金沢健一展
金沢健一展 ―Scores―(2016.4.26~5.8)を終えて

2008年(二人展)、2013年(個展)に続いて揺で3回目の展覧会です。

≪展示作品≫
1―4 Scores1800_1-4 (2016) アルミニウム
    音楽制作 浦裕幸    
5   断片化 Apr.2016-1 (2016) アルミニウム
6   断片化Apr.2016-6 (2016) アルミニウム  
7   断片化200×5 Feb.2016-1 (2016) アルミニウム  
8   断片化200×5 Feb.2016-2 (2016) アルミニウム  
9   断片化350×2 Apr.2016-1 (2016) アルミニウム
    断片化350×2 Apr.2016-2 (2016) アルミニウム  
10  断片化Apr.2016-4 (2016) アルミニウム
 
Scores1800_1
彫刻の展開図を音楽家の浦裕幸(ウラ ヒロユキ)さんが五線譜上で1800小節に置き替えることで音楽が生まれました。1作品9分間の演奏で、板間は作品の下から上方向の、畳の間は作品の上から下方向(逆再生)の音楽が聴こえます。

会場風景 会場風景
     
作品 断片化   作品 断片化
作品「断片化350×2 Apr.2016-1(2016)」  作品「断片化350×2 Apr.2016-2(2016)」

作品 断片化 作品「断片化200×5 Feb.2016-2(2016)」
 
作品 断片化 作品「断片化Apr. 2016-1(2016)」

作品 断片化 作品「断片化200×5 Feb. 2016-1(2016)」
 
会場風景 作品「断片化Apr. 2016-6(2016)」
 
会場風景 会場風景(撮影 金沢健一)
アルミニウム角パイプの各面に3種類の幅と深さの違うスリットが刻まれています。
作品「Scores1800_1-3 (2016)」が板間に3点、スリットを刻んでいない作品「Scores1800_4 (2016)」が畳間に1点展示。スリットが無い作品は9分間の無音状態が続きます。
その時に「演奏が鳴ってない。」と私に音楽の再生を促す来画者もおられました。
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2012年、ピアノ独奏会(京都市内のカフェ・モンタージュ)で、ジョン・ケージの「冬の音楽」の中の3楽章で「4分33秒」に渡って全く演奏することのない「無音」を聴いた時のことをブログに公開しました。
≪参考:ブログアドレス http://artgallerytomie.blog.fc2.com/blog-entry-129.html≫
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音が途切れて無音になると耳を澄まします。その時の聴覚は研ぎ澄まされて今まで聞こえなかった音が聴こえてきます。
騒音が溢れ、商品が山積みされた環境で日々を過ごしている現代人にご覧頂きたい展覧会でした。

作品 断片化 作品「断片化Apr. 2016-4(2016)」

作品 断片化 作品「断片化Apr. 2016-4(2016)」
太陽光線は作品の上に庭の植物の影を落とし、作品の内に「影の音符」を作曲しました。
風が揺れる屋外で、もう一つの音楽が聴こえてきました。

金沢健一氏  金沢健一さん

京都新聞2016年5月7日朝刊(美術欄・ギャラリー)掲載記事
≪美術と音楽が育んだ豊かな創造 金沢健一展・斉藤祝子展≫
「音楽」をテーマに二つの個展を紹介しよう。
まず、東京を拠点に活動し関西での個展歴も数多い金沢健一。彼は鉄などの金属を素材にした幾何学的形態の彫刻を制作している。それらのなかには打楽器の機能を持つものや、振動により音の波形を視覚化させるものなど、音楽との関係が深い作品があり、今回の新作もその一つだ。
会場にはアルミの角パイプが林立している。各面に3種類の幅と深さのスリットが刻まれており、その造形要素を音や時間に見立てると音楽を作ることができるのだ。実際本展では、作曲家の浦裕幸が作品の展開図を五線譜に見立てて作曲を行っており、会場には金沢の作品とそこから派生した浦の楽曲が空間を満たしている。どちらも抑制のきいた作風で、静けさのなかにもピンと張りつめた緊張感が心地よい展覧会だ。 後半省略(小吹隆文・美術ライター)

最後は金沢健一さんの文章で締めくくらせて頂きます。
≪展覧会を終えて≫
5月の連休を挟む木々の緑鮮やかな、風爽やかな季節。2年前の秋の個展と同様に今回もガラス戸をあけ、板の間と畳の間の室内と庭を結ぶ開放的な空間とした。揺が閑静な住宅地にあるとはいえ、この庭の凛とした静けさに、心が落ち着く。作品の数を絞り、空間全体が「静けさ」をテーマとしたひとつの作品となるような展示構成を考える。作品の造形要素をそのまま音に置き換えた音数の少ない浦裕幸の音楽は作品の鏡のような存在として時間を刻んでゆく。来場した方から「作品の存在が主張することなく、捉われのない、観客と共存するような空間」というお言葉をいただいた。揺は私にとって、通常のギャラリーや美術館とは違った、作品の在り方や感情を起こさせる空間なのである。 (金沢健一)


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05/13 11:34 | 展覧会
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