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三橋登美栄 & パブロ・エスカンデ展を終えて
ギャラリー揺10周年記念シリーズ企画 RESONANCE 1
三橋登美栄 &パブロ・エスカンデ展ー響く色 描く音ー(2015.3.24~4.5)を終えて

絵画から音楽が創作されたり、音楽が絵画に影響を与えたりします。クレーやカンディンスキーの抽象絵画作品からは音楽が聴こえてきます。パブロ・エスカンデの手書きの楽譜からは「響く色」が伝わってきます。揺での私の個展は5回目ですが、音楽からインスピレーションを得て、絵画制作するのは今回が初めてです。音楽を聴きながら新鮮な気持ちで制作しました。
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≪展示作品≫
1 牡羊座 (F3号)   
2 春の音 3(SM号) 
3 春の音4 (SM号)
4 天文時計 (F4号)
5 教会暦  (A3号)
6 砂に埋もれる犬3 (F20号)
7 砂に埋もれる犬2 (F10号)
8 砂に埋もれる犬1 (F10号)
9 春の音1 (ポストカードサイズ)
10 春の音2(SM号) 
11 Amana & her mother’s dream (P15号)
12 空の青3 (SM号)
13 空の青1 (0号)
14 空の青2 (SM号)
15 Amanas dream 1 (F8号)
16 Amanas dream 2 (F10号)
17 空の青4 (SM号)

展示風景1
展覧会場1

春の音2 空の青2
    作品「春の音1」       作品「春の音4」

砂に埋もれる犬3
作品「砂に埋もれる犬3」
ゴヤが70歳代(1820年頃)に描いた作品「砂に埋もれる犬」を観てパブロ・エスカンデが作曲。
その曲を聴いて三橋登美栄が「砂に流されることなく未来に向かう気持ち」を制作。

展示風景2
展覧会場2

420展示風景3
展覧会場3

Amana&her mother's dream
作品「Amana & her mother's dream」
2年前の春、パブロの長女「甘奈」の誕生をきっかけに、音楽と絵画のコラボレーションを思いつき、パプロに声を掛けて実現した展覧会です。「甘奈の夢」は、私達みんなの夢に重なります。

甘奈ちゃん
展覧会中に2歳の誕生日(4月2日)を迎えた甘奈。

Amana's dream
作品「Amana’s dream 2」
ハーモニウムの新曲「Amana’s dream」が生まれ、その曲から絵画作品「Amana’s dream 2」を制作。

空の青1 空の青2
   作品「空の青 1」         作品「空の青 2」
カンディンスキーの絵「空の青」(1940年)を観てパブロが作曲、その曲を聴いて「自由でキママな未来」を登美栄が制作。

ハーモニウム演奏
ハーモニウム演奏日(3月28日)
ハーモニウム演奏は4月4日と5日も開催して多くの方々に聴いて頂きました。
ライブ演奏のない時はCDからパブロのオリジナル曲が流れます。

来画者
演奏終了後に、珍しい楽器・ハーモニウムを弾いて楽しむ来廊者の方々。

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I always thought that when different arts mix together and combine their powers, they become even stronger, to bring a feeling, a message to people; and in a way they complement each other to the ultimate goal of "touching" the public in a different, broader way. The most known and maybe most successful of these art mixtures is Opera. Also Art Songs are a refine combination of poetry and music.
When Tomie asked me to join the "Resonance 1" project (a collaboration between music and paintings) I had the possibility to experiment this "communion" again, which I already experienced several times before: the exposition Partita in 2008, Setsuko in 2010, and later in 2011 when Izumi Tateno asked me to compose a piece of around 20 min. for piano 3 hands. Since he gave me complete freedom in choosing the form and content of the piece, I decided to put music to 4 very different paintings (by M. Escher, Rousseau, Goya and Kandinsky).
Interesting was that this 4 pieces ("Four Musical Paintings" as I named it) inspired Tomie-san to create her own version of the same works; so that the paintings became music and that music became paintings again.
While "Plastic Arts" once made, generally, remains in the space, music is a transitory art , it passes quickly and disappears immediately once the sounds fade out. So it means that the listener enjoys music only as it is sounding and passing in time. The whole "Musical Piece of Art" can be appreciated only after is performed as a total composition (or a part of a composition).
This combination between paintings and music can be very interesting and not yet so much exploited.
I am definitely going to write more compositions following this path...
During the exposition somebody gave me this suitable Zen phrase by Daitoh-Kokushi:

"You really attain enlightenment when you look by ears and hear by eyes"
Pablo Escande
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異なる分野の芸術が交わる時、またこれらの持つ力が合わさる時、伝えたい感情やメッセージはもっと強くなる、人々の心を動かすという究極の目的に向かって可能性が広がる、と私は信じています。この芸術の融合という意味で成功した例のひとつにオペラがあります。また歌曲も詩と音楽が融合された素晴らしい芸術といえます。

登美栄からプロジェクト「Resonance」のためのコラボレーション(音楽と絵画)を依頼されて、この融合を試みる機会を再び得る事が出来ました。2008年に染織作家とのコラボレーション、2010年に三橋節子の絵画とのコラボレーション、そして2011年には左手のピアニスト舘野泉氏の委嘱により、4つの絵画(エッシャー、ルソー、ゴヤ、カンディンスキー)を音楽で描写しました。この作品が登美栄にインスピレーションを与え、新しい独自の絵画が生まれました。絵画が音楽となり、その音楽がまた絵画へと繋がったのは興味深いことだと思います。

形を成す芸術というのは一般的に空間に残りますが、音楽は一時的な芸術であり、音と共に消えていってしまいます。聴き手はその一時を楽しんでいるのです。音楽的芸術作品は、演奏があって初めて評価されるものです。絵画と音楽の組み合わせはとても興味深い主題ですが、実際はまだそれほど行われていません。私はこの組み合わせにもっと取り組んで行きたいと思っています。
展覧会中に訪れてくださった方が、大燈国師の句を贈ってくださいました。

「耳にみて眼にきくならば疑わじ おのずからなる軒の玉水」

パブロ・エスカンデ      (翻訳 三橋桜子)
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≪付録≫
「耳にみて眼にきくならば疑わじ おのずからなる軒の玉水」について、

鈴木大拙著「大拙 禅を語る」からの抜粋引用です。
≪初期仏教徒は、ブッダの悟りの体験をいわゆる「八正道(はっしょうどう)」として解釈しました。
第一の「正見(しょうけん)」は、ものごとを「そのまま」に、「あるがまま」に、「そのとおり」に見ることです。大乗仏教で説かれる「見る」は、目で見ることではありません。これを、目ではなく”耳で見る”のです。耳で見て、目で聞く。そうすれば正しく見ることができる。正しく、真実に、正確に聞くことができるのです。
日本にはこんな話が伝わっています。たぶん500〜600年前のことですが、京都に一人の禅匠がいて、「正見」をテーマにした短い詩を残しました。31文字のものです。この禅僧(大燈国師)の残した詩は、こんな和歌です。

「耳に見て 目に聞くならば疑わじ おのずからなる軒の玉水」
耳で見る、目で聞く。もしそれができるならば、軒から落ちる水の音がどんなにか自然に響くことだろう、というのです。≫
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音が描く抽象絵画を耳で観て、絵の動きや響きを目で聴きます。心の深いところで記憶と重なり感動に変われば嬉しいです。

パブロとその家族の多大な協力によりコラボレーション展を開催し、充実した2週間を過ごすことができて、とても感謝しています。ご来廊の方々からは貴重なご意見を頂戴いたしました。
また次回も新たな気持ちで制作を続けたいと思っています。         三橋登美栄

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京都新聞2015年(平成27年)4月4日朝刊(美術欄・アートスクエア・催し)掲載記事
ギャラリー揺(京都市左京区銀閣寺前町)が開廊10年を迎え、記念シリーズ企画を行っている。《掲載写真は省略》 画家三橋登美栄が、アルゼンチン出身の作曲家パブロ・エスカンデの作品を聴いたイメージから絵画を制作。会場に音楽が流れる中、抽象と具象、音と色彩、造形が響き合う空間を作る。5日まで。無料。4日午後5時、5日午後4時にパブロがハーモニウム演奏を行う。

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※「2歳の誕生日を迎えた甘奈 」の写真のみ三橋登美栄撮影、それ以外の写真は全て表恒匡氏の撮影です。


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05/06 09:25 | 展覧会
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