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山極千真沙展「風景のある家」(2014.6.10~22)を終えて
山極千真沙展「風景のある家」(2014.6.10~22)を終えて

「記憶の中にあるような懐かしい風景をイメージして制作しました。」と語る山極千真沙さんの初個展です。

≪展示作品≫ 
湖畔(香立て)1点、小さい山1点、独り山1点、双子山2点、三ツ子山2点、四ツ子山1点、雲に臥す(壁掛)3点、風景のある家14点を板間と和室と庭にインスタレーション展示。
ギャラリー入口の展示棚に器物(蓋物、湯呑み、魚ぐい呑み、魚箸置き、魚とっくり、平皿)や小人山など多数陳列。

展覧会風景
展覧会風景

湖畔(香立て)
「湖畔(香立て)」
手びねりで成形し、ヘラやカンナで削ってシンプルな形に整え、乾燥。
次に、表面をニードルで引っかいて緑色の顔料を象嵌(ぞうがん)したり、呉須で絵付けなどの装飾を施してから釉薬を掛け焼成します。

壁掛・家
「雲に臥す」は、「雲がかかる奥深い山の中で生活する」ことと知りました。
「風景のある家」(長屋・蓋物)

風景のある家
「風景のある家」(蓋物)は階段を上がって中に入れます。

双子山(小)小さい山
「双子山(小)」の小さなトンネルに入って内側を探検。  

小さい山
「山」は上部の蓋を開けると内側の絵付けを楽しめます。

壁掛と家
「雲に臥す」  
「風景のある家」(丸形・蓋物)はモンゴル高原のゲル(パオ)のようです。

独り山 風景のある山
   「独り山」(屋根が蓋)    「風景のある家」(L字型)

四ツ子山 三ツ子山
 「四ツ子山」の山頂は蓋       「三ツ子山」

和室展示
和室展示
いつか、どこかで見たような懐かしさを感じる風景が広がります。
観る人が、家にまつわる物語を書き、風景を描き込める空気が流れます。

三ツ子山(小)
三ツ子山(小)
内側を観たくなる思いが叶えられる三ツ子山は、雲を上下に蓋を開けると内側の世界が広がります。

風景のある家
「風景のある家(塔・香炉)」
蓋を開けると香を立てる小人山があり、香を焚くと窓や屋根から煙が揺らぎます。

雲に臥す 風景のある家 
    雲に臥す(壁掛)        「風景のある家」
  
風景のある家 双子山
「風景のある家」(縦長・蓋物)   「双子山」

風景のある家
「風景のある家」(長屋) 長い家の小さな窓が印象的

山極千真砂さん
作品について丁寧に説明される山極千真沙さん

風景のある家
「風景のある家」(回廊)は、小さな灯篭を片付けた後の基礎部分・地輪(ちりん)の上に置かれ、庭と一体化してマヤ文明の古代遺跡に繋がる風景が見えました。

小人山
庭の岩山に登った「小人山」

風景のある家
庭の照明灯が乗っていた飛び石に建つ「風景のある家」(蓋物)。

玄関棚
入口展示棚の作品もとても好評で、ほぼ完売状態でした。

案内状
「風景のある家」展の最初の構想を示す雛型4点と案内状。
緑っぽい呉須の屋根に魅かれます。

大盛会の裡に初個展は終了いたしました。
確かな技術の上に独自のセンスが輝く山極さんは今後も意欲的に制作されることと思います。
次の展開を楽しみにしています。

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最後は、山極さんの文章で締めくくらせて頂きます。

≪個展を終えて≫
今回は、初個展ということで本当に色々と手探りの中での展示となりました。
搬入当日まで不安が駆け巡っていましたが、展示作業を終えぐるりと会場を眺めた時、空間と作品が合わさり風景が繋がっていくように感じて、何とか形にすることができたとホッとしたのを覚えています。それと同時に、初めて自分の作品の作り出す世界、雰囲気というものを空間を通して実感する事ができ、それはとても嬉しい収穫でした。
この空間だったからこそ、思い描く風景に近づくことができたのだと思います。
これからも様々な場所で、その空間に景色が生まれるような作品を考えながら制作していきたいと思います。ありがとうございました。             山極千真沙



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06/28 09:55 | 展覧会
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