美術作家 三橋登美栄
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ギャラリー揺シリーズ企画「在ルコト」その3
青木 挙 展(2014.5.27~6.8)を終えて <展示作品リスト> 1 在ルコト 1 2 在ルコト 2 3 在ルコト 3 4 在ルコト 4 5 在ルコト 5 6 在ルコト 6 7 苔ムス 1 8 苔ムス 2 9 苔ムス 3 10 るつぼ ![]() 室内展示 ![]() 作品「在ルコト5」 盃に釉薬をかけて再び穴窯で焼成 ![]() 作品「在ルコト2」 穴窯の地面を掘った凹部に小壺を並べ、上にガラス板をのせて焼成。凹部底部の温度は上がらず、焼けない部分と焼かれた部分との差異が興味深いです。 ![]() 作品「在ルコト2」部分 ![]() 作品「在ルコト1」 手びねりで球体を作り穴窯(1100度~1280度 3日間)で焼成した作品を壊して、小壺を中に入れたものを再び穴窯(1100度~1280度 3日間)で焼成。 ![]() 作品「在ルコト6」 ![]() 作品「在ルコト4」 窯の棚板に煉瓦を載せ、さらに大量の盃を積み重ねて、その上から粉状の釉薬をかけて灯油窯で焼成(1414°C) ![]() 作品「在ルコト3」 ![]() 作品「在ルコト3」部分 オブジェの中の器の在りように戸惑いますが、器であった元盃がオブジェに変わり始める境界線の崩れを観ました。 ![]() 庭展示 苔を頂いた陶は庭の石畳に馴染みます。 ![]() 作品「るつぼ」(左側) 作品「苔ムス3」(手前) 作品「苔ムス1」(右側) ![]() 夕陽が差し込み、庭の木々のシルエットとコラボレーション たまに夜更かしをして朝を迎える時は、暗闇から夜が明けるまでの移り変わりを観ているのが好きです。新しい境地に繋がる予感を期待しながらも体の疲労を感じ、いつもとは違うハイテンションの自分を体験します。たった一晩でもこのような感情の起伏を味わうのに、青木さんが穴窯の火を見守り続ける3日3晩を想像しました。信楽の地で、一度点火すれば後戻りできない時間が流れる中で生まれた作品が揺空間に展示されている不思議を感じます。感情の内面をそのままギリギリのところまで隠さずに表現する難しさに挑戦中の青木さんですが、会場で鑑賞者に説明される時はとても穏やかです。内に秘められた熱い思いを展開してください。 ………………………………………………………………………………………………………………… 京都新聞2014年5月31日朝刊(美術欄)掲載記事 青木挙展 割れた球のなかから、無数の小皿や小壺(つぼ)があふれ出る陶立体。まるで一作家の内面に宿るドロドロとした感情を表したかのよう。一方、庭にはこけむした球体の作品があり、静謐(せいひつ)な気配を漂わせている。(小吹隆文・美術ライター) ………………………………………………………………………………………………………………… 最後は、青木さんの感想文で締めくくらせて頂きます。 ≪個展を終えて≫ 展覧会が始まるまでは命を削る覚悟で制作し 最期の発表という思いで臨みましたが 終わってみるとあっけなかった。 今までも、これからもそうなのでしょうね。 挑戦もしました 発見もありました 一線を越えました 確認もできました 飛ぼうと思いましたが飛べませんでした 動かせたかな少しは 青木挙 スポンサーサイト
06/11 23:04 | 展覧会 |