美術作家 三橋登美栄
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白井千尋展(2013.10.22~11.3)を終えて
![]() 展覧会場入口 展示作品リスト(サイズ単位 mm ) 1 misty 55×55×290 楡材・マンガンカルサイト 2 trees bear fruit 70×80×420 梅材 3 a persimmon 35×150×30 黒柿材・セプタリア 4 thin grass 25×25× 290 黒檀材・カーネリアン・桐材板 5 lost article 20×20×120 唐鼠黐材・カーネリアン ![]() 作品「misty」 これは花弁?萼弁?それとも葉? この植物名は?と疑問が広がります。過去に何処かで見た植物名を思い出しても見当が付かないのは実際には存在しない空想植物だからでした。本物の植物より確かな存在感に魅了される作品です。 ![]() 作品「trees bear fruit」 一つの木材から制作された一木造りと言えば仏像を思い起こします。一木造りは一度削ってしまったら修正は不可能で、細部の破綻が全体に及ぶ可能性があります。こうした制作者と用材の緊張関係が作品に深い精神性と優れた造形性をもたらします。木目の流れを生かして彫り進み、余分な物を削ぎ落として最後に残った究極のフォルムの作品です。 ![]() 作品「a persimmon」 ![]() 作品「a persimmon」部分 木と石の組み合わせが気になったのですが、柿の蔕の先までも細部に亘る仕事に目を奪われ感動するのは、素材の異なる物との組み合わせを納得させる技術の確かな作品です。 ![]() 床の間 ![]() 作品「thin grass」 桐材板(うす墨彩色)の柾目を背景に黒檀材の木目に沿って彫られた一枚の葉と一本の花茎が佇む緊張感は床の間の一幅の仏画のようです。 ![]() 作品「lost article」 思わず踏んでしまいそうな石畳に、小鳥が落としていったかのような作品。 庭の落ち葉や、ハナミズキの赤い実と一緒に自然界の美しさに繋がります。 ![]() 白井千尋さんの今後のご活躍を楽しみにしています。 ……………………………………………………………………………………………………………… 山本亜希展「南蛮で逢いましょう」(アートライフみつはしで毎年開催)と白井千尋展を同時開催いたしました。この計画は一年前に山本亜希さんからご提案頂き実現いたしました。会期中はお二人に共通の来廊者で賑わって、2つの展覧会を一緒に見られて良かったと大好評でした。 今後もこのような2会場繋がった展覧会を計画中です。 ありがとうございました。 ……………………………………………………………………………………………………………… 小吹隆文 ツイート10月29日掲載 ギャラリー揺の「白井千尋展」。 植物をモチーフにした小立体。画廊空間にわずか5点の小品が控えめに展示されている。 よほどの自信・確信がないと、こんな展示は行えない。技量の高さは間違いなし。 (小吹隆文・美術ライター) ………………………………………………………………………………………………… スポンサーサイト
11/03 22:01 | 展覧会 |