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森 太三 展(2012.5.22~6.3)を終えて
ギャラリー揺 シリーズ企画「still expecting」3
森 太三 展(2012.5.22~6.3)を終えて

―海を眺める―“see the sea”
展示作品(平面4点 室内と庭にインスタレーション)
1 木々 雨と霧 64(平面)
2 木々 雨と霧 60(平面)
3 木々 雨と霧 59(平面)
4 木々 雨と霧 44(平面)
5 海を眺める(室内インスタレーション)
6 風景を重ねる(庭インスタレーション)

会場風景1
白に近いブルーの石膏片3000個以上が広がると、床面に海景が現れます。

棚展示
平面作品 4点

畳展示2
海岸で小石を拾っては捨て、捨てては拾い、を繰り返して時間の経つのも忘れた日の記憶が甦りますが、ここは永遠に続く幻の海岸のようです。

畳展示の影
夕陽を受けて影が長く伸びる頃になると、畳の目は砂浜に、石膏片は貝殻に変わります

板間展示
木目の波間に漂う石膏片は水面と化し、ガラス戸に映って庭の大海まで広がるようです。

庭展示
雨に濡れる庭で、石膏片が集まる島々は、海に浮かび見え隠れします。

ガラスに映る庭
庭のインスタレーションと木々の緑がガラス戸に映り込み、室内のインスタレーションに重なり合って、現実と虚像のレイヤー世界が複雑に現れるようです。

会場風景夕方
夕方にかけて暗くなると、石膏片は命を吹き込まれた生命体に見えます。

畳風景夕暮れ
日が暮れて辺りが暗くなると、眺めていた海は見えなくなり石膏片は海底に沈みます。
作家は、手作業で石膏片を一個一個ヤスリで磨き続けて、制作する時間に向き合うことで、様々な感情はやがて達成感に置き換えられ、搬入日の設置作業終了時にインスタレーション作品は完結します。

鑑賞者のイマジネーションを駆り立てて止まない森太三展は、2週間で搬出されて消失していまいますが、しっかり記憶に残る印象深い展覧会でした。

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京都新聞2012年5月26日(美術欄)掲載記事
森太三展
白い小さな不定形の無数の破片が、画廊に置かれたインスタレーション。庭には、こんもりと破片が積み上げられていたりもするが、一つ一つを眺めていると、それぞれのかたちに愛着を感じ、穏やかな心持となる。(森口まどか・美術評論家)
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06/06 22:59 | 展覧会
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