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北浦真保展 ―まほろば―を終えて
北浦真保展 ―まほろば― を終えて (2023.5.2~5.14)

人の生命力、生と死をテーマに作陶。龍や獅子のような架空の生き物をモチーフにすることが多い。これらの神獣は、人が疫病や天災など昔では得体の知れなかった恐怖から身を守るために創造された生き物である。死なないように、生きる為に。人々の祈りの中で生きてきたシルエットには荘厳さと禍々しい生命力が宿っている。 日々の、一瞬の大切な感情を忘れないように作品に落とし込み、焼成を繰り返すことで意識が研ぎ澄まされていく。窯から出てくる陶器は、そんな自分を俯瞰的に見ているようである。
本展覧会では、昨年から現在までの約一年間の作品を展開する。新型コロナウイルス感染症のパンデミックは約3年に渡り、現在では規制緩和が進むことで緩やかに落ち着きを見せつつある。流行当初に感じていた圧迫感や居心地の悪さから「解放」をキー ワードに色鮮やかで疼くようなイメージを目指す。理想郷を求め、その先にある喜びと新たな生命力に満ちた空間の実現を試みる(北浦真保)

≪展示作品≫
1 逆鱗に触る
2 壺中の天
3 とようけ
4 Bless you.
5 ゆめごこち
6 薬師陶板
7 蓬莱亀
8 夢華の庭(a) (b) (c )(d) (e) (f)
9 山盛
10 カップ(4点)
11 ゴブレット(大)(6点)
12 ゴブレット(小)(1点)
13 コンポート皿(2点)
14 一休
15 露花

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作品「山盛」

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作品「とようけ」

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作品「Bless you.」

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作品「逆鱗に触る」

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作品「逆鱗に触る」の部分

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作品「壺中の天」

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作品「薬師陶板」

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作品「ゆめごこち」

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小作品(カップ、ゴブレット大、ゴブレット小、コンポート皿、一休、露花)

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作品「夢華」(f)

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作品「夢華」

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作品「夢華」(a,b,c,d,e)

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KITAURA MAHO 北浦真保さん

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京都新聞(2023年5月6日)美術欄・ギャラリーに掲載された記事(作品写真掲載)

(揺=銀閣寺道14日まで 月休)龍、キリン、バクなど架空の神獣と吉祥モチーフを、立体的に壺と組み合わせた陶作品。壺の中に閉じ込められた龍の体の一部が開口部からのぞくなど、凝った入れ子構造。抑圧からの解放や幸福への願いをユーモラスに造形。(高島慈・美術評論)

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≪展覧会を終えて≫
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大文字山山麓からほど近い幣廊は自然環境に恵まれて、四季折々野生の生き物がやってきます。
展覧会中も、可愛い目のトラツグミ(?)の雛が飛んできました。(5月12日撮影)

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展覧会最終日、雨に濡れたヤマボウシの白い花が輝いていました。(5月14日撮影)

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「まほろば」とは、日本古来からある言葉で、「優れたところ。素晴らしいところ。」という意味があります。 「古事記」の中には、 「倭は国のまほろば、たたなづく青垣山 こもれる倭し 美し。」 の一節があります。展覧会中、揺は「まほろば」に設えられ、その空間に佇めたことを嬉しく思いました。ほぼ2週間、北浦さんは朝のパートタイム仕事を終えてから幣廊に出勤し、来廊者に作品の説明をされていました。今後も、制作とパートタイム仕事を両立させ、充実した日々を過ごされることでしょう。多様な可能性をお持ちの北浦さんは、これからも意欲的に制作されると思います。将来のご活躍を楽しみにしています。(ギャラリー揺 三橋登美栄)



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05/19 13:12 | 展覧会
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