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group89/77/68展(2017.5.2~14)を終えて
group89/77/68展(2017.5.2~14)を終えて

ハッカクレン
庭のチュウゴクハッカクレンの茎の途中に蕾が入り、会期中に赤褐色の花が咲きました。
このハスに似た葉の角の数から「六角蓮」や「八角蓮」と呼ばれています。葉の付け根部に花が咲くものは「タイワンハッカクレン」と呼び分けられています。

≪展示作品≫
林 康夫
1 寓舎‘17-2(小品)    
2 寓舎‘17-3(赤)  
3 寓舎‘17-4(緑)
4 寓舎‘17-5(茶丸)
5 寓舎‘16-1(焼〆)

中馬泰文
イ sketch / cutting pliers
ロ sketch / combination pliers
ハ sketch / long nose pliers
ニ sketch / combination pliers
ホ sketch / cutting pliers

木村秀樹
A Purple Splash
B Green Wind

展覧会場 展覧会場

展覧会場 展覧会場

 
寓舎'17-2 寓舎'17-3(赤)
林康夫作品「寓舎’17-2」    林康夫作品「寓舎’17-3」

寓舎'17-4(緑) 寓舎'17-5(茶丸)
林康夫作品「寓舎’17-4」   林康夫作品「寓舎’17-5」

「寓舎」シリーズもいつしか年を重ねましたので、一つの区切りとして作品集「寓舎」を刊行しました。とは言え作品としては次々と興味のある要素に首を突っ込み、目まぐるしいことでもあり尚その続きです。昨秋、丹波にご縁がありました。その節立杭の登り窯(通稱蛇窯)を古来の元の姿に築窯した。其の初窯に立杭の土で作品を焼成してはと言う機会をいただきました。私は海外は別として、長い作陶生活で京都 信楽以外の土を使用したことが無く初の機会でした。立杭の土は一言で言えば使い難い、くせのある手離れし難い土 何十年ぶりの焚き窯、結果は惨憺たるものですが出品しました。(林康夫)

Purple Splash Green Wind
木村秀樹作品「Purple Splash」(左側)と作品「Green Wind」

1972年以降の自身の制作を振り返り、夫々の時期のコンセプトや方法を再検証する意味を込めて、新作シルクスクリーンの制作を続けています。今回の出品作もそのシリーズからのものです。緑色に被われた画面は、栗の小枝を原型とする画像のリピートと積層からできています。10点のシルクスクリーンからなるシリーズは「Periods」というタイトルの版画集として、2018年に出版される予定です。(木村秀樹)

sketch cutting plieres sketch conbination plieres 
中馬泰文作品「sketch / cutting pliers」  中馬泰文作品「sketch / combination pliers」
  
sketch long nose plieres sketch combination plieres
中馬泰文作品「sketch / long nose pliers」 中馬泰文作品「sketch / combination pliers」

sketch cutting plieres
中馬泰文作品「sketch / cutting pliers」
ごく短い一時期だが石販をやった。いま、それに郷愁を感じるのは、石灰石が持つ神秘性と、あの一瞬手に伝わってきた冒しがたい感触、感覚はもう二度と経験することはないだろうとの思いから来るのだろうと思う。直接、画布に絵を描いていたのは20代中頃までで、その後、間接的な用具を用いることになった。そのことが直に手先に伝わる感触から逃れ、衝動する感情をも抑えられて、版工程での計画性が表現の一要素となった。(中馬泰文)

寓舎'16-1
林康夫作品「寓舎’17-4」

木村氏 中馬氏 林氏 木村氏 林夫人
木村氏(左側)と中馬氏    左から林氏、木村氏と林夫人
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毎日新聞2017年5月3日 掲載記事
【京の人 今日の人 前衛陶芸のトップランナー 林康夫(89)】新たな表現 挑み続け
戦後、一世を風靡した前衛陶芸のトップランナーが健在だ。京都市山科区の陶芸家、林康夫さん(89)。米寿を越えてなお、新たな表現に挑み続けている。
林さんは京都市立美術工芸学校で日本画を学んだ後、15歳で海軍予科練に。戦争末期には特攻隊入りしながら生き延びてしまった」。陶芸家だった父を手伝うためこの道に。やがてピカソに傾倒し「リアルなものが芯にあって、それを抽象として描く」という説明にひらめく。人体をイメージしながら土をひねっていると、自然と抽象作品が生まれた。
 美術界では長く、「オブジェ焼」で知られる八木一夫の「ザムザ氏の散歩」(1954年)が抽象陶芸の始まりのように語られてきたが林さんが初の抽象作品の「雲」を発表したのは48年。50年には日本中の陶芸家が応募した仏パリの「現代日本陶芸展」に入選した先駆者だ。「誤解」の要因は、林さんが所属した四耕会が57年に解散したことなどさまざまだが、近年再評価の気運が高まっている。林さんは「四耕会のメンバーが最初に一石を投じた、ということを伝えたい」と語る。
 81歳の時に、同い年の美術家3人で始めたグループ展「group81」は、年齢と共に数字を変えて回数を重ねたが、一人減り、二人減って、林さん一人に。しかしそこであきらめないのがこの人の真骨頂だ。2014年に12歳年下の画家・版画家、中馬泰文さん、21歳年下の版画家、木村秀樹さんと新グループを結成。今年も2日に、京都市左京区銀閣寺前町のギャラリー揺で「group89/77/68」展が始まったばかりだ。(14日まで。8日は休廊075・752・0242)。林さんは今回、丹波立杭の土を蛇窯で焼締めた新作に乗り出した。「一つの形にこだわらず、次々に新たなものを追い求めたい」。いくつになっても衰えぬ「前衛」の血をたぎらせている。(澤木政輝)

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京都新聞2017年5月6日朝刊(美術欄・ギャラリー)
Group89 / 77 / 68展(揺=銀閣寺前町14日まで 月休)林康夫による陶の立体、中馬泰文の素描、木村秀樹の版画。タイトルの3人の年齢。前衛をキープする、尽きない作家魂に驚き。(沢田眉香子・著述業)
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林氏 高橋氏
林氏(左側)と高橋氏

爽やかな新緑の季節に4回目のgroup89/77/68展を開催できたことを大変嬉しく思っております。(ギャラリー揺 三橋)



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05/15 13:46 | 展覧会
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