美術作家 三橋登美栄
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黒川 徹 展 ―心の構造― (2017.4.11~23)を終えて
![]() ![]() 「哲学の道」は桜の満開に合わせて花見観光客で混雑しますが、一筋北に入った揺の辺りは静かです。 《出品作品》 1 こころのはへん(8点) 2 炎のミューズ 3 深層構造 4 中空林檎 5 プロトセル 6 イデア 7 心の傘 8 心の構造 ![]() 黒い作品は、燻瓦の焼き方で作られています。1100度位で焼いて、松の薪で燻しています。薪で焼いているのでよく見ると少し変化のある表情をしています。茶色の作品は、1250度位で焼いて、信楽の土らしい薪窯による火色がついています。 ![]() ![]() ![]() 来廊者からは「鶴首の花瓶が4個連なっているようにも、トルソーのようにも見える」と。 観賞者の気持ちによって様々に見え方が変化します。 ![]() ![]() ![]() 来廊者は「メビウスの輪の形が、生命の根源のように見えて怖いイメージもあり魅かれる」と。 人気の話題作でした。 ![]() 庭のユキヤナギを生けると、オブジェは花瓶になります。 ![]() 伸びやかに、滑らかに動く稜線には生命が宿っています。 ![]() ![]() 後から観賞すると、外側が内側に入って行く入口部分が観えて奥行きと厚みを感じます。 ![]() ![]() 作品「心の構造」 水面に桜の花弁が浮かび、雨が降ると水文が広がって自然と共鳴しています。 ![]() 将来有望な黒川徹さんの新作発表を楽しみにしています。どうぞご活躍ください。 ……………………………………………………………………………………………. 黒川徹略歴 1984年 京都府生まれ 2007年 筑波大学芸術専門学群美術主専攻彫塑コース卒業 2009年 京都市立芸術大学美術研究科修士課程工芸専攻陶磁器修了 …………………………………………………………………………………………… ![]() ![]() 同時期にアートライフみつはしでは、「小島瑛由」展と「みつはしで座る」展が開催中でした。 今回の「心の構造」展で「心」はどんな形をしているのか、体のどこにあるのか、心臓には無いし、脳にも無い? などと疑問が湧いてきました。また実態の無いものの形を掴みたい不思議な感情も生まれました。そして心の不安定な状況に負けそうな時は、感情を無くしたくなる思いから、その心を体の外に放り出したくなる時もあります。最近、「心はからだの外にあるーエコロジカルな私の哲学」(著者 河野哲也 NHKブックス)が出版されたそうです。私の放り出したい気持ちとは違うようですが、読んでみようと思っています。(三橋登美栄) スポンサーサイト
04/24 00:09 | 展覧会 |