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平井秀展
平井秀展(2016.3.15~27)を終えて

昨年の初個展から一年後、今回も一人二役・陶芸花器と生花(嵯峨御流)の第二回平井秀個展が開催されました。花材は全てご自宅の植物です。植物に造形の深い3代前の曽祖母様が植えられた貴重な白梅の古木を搬入して和室と庭の2か所で存在感を発揮していました。

≪室内の展示作品は展示棚を含めて花器15点です。≫

平井秀さん
搬入日に、梅の樹を生ける平井秀さん

アンク形花器
作品「アンク形花器」
アンク(ankh)とは古代エジプトで使われていたヒエログリフと呼ばれる象形文字の一つで、「生命」や「人生」、「生きる」と言った意味で使用され、「生命の鍵(Key of Life)」とも呼ばれていました。アンクはエジプト十字架とも呼ばれており、不死の生命を与える役割以外にも、悪い事から身を守る魔よけの役割も果たしていました。古代エジプトでは文字に不思議な力が宿ると考えられていたそうで、王族たちは自身の名前にアンク(ankh)の文字を入れる事で永遠の生命への願いを込めたと言われており、黄金のマスクで有名なツタンカーメンも正式な名前を「Tut-ankh-amen(トゥト・アンク・アメン)」と言い、名前の中に「アンク(ankh)」が入っています。アメン(amen)は太陽神ラーの別名であり、トゥト(Tut)は姿と言う意味、すなわち「太陽神ラーの生命を象徴した姿」と言った意味の名前なのだそうです。

アンク形花器 アンク形花器に椿
作品「アンク形花器」

兜形花器
作品「兜形花器」

展覧会場
展示会場

鐸形花器
作品「鐸形花器」

アンク形花器 アンク形花器
作品「アンク形花器」 紫葉アカシアを生けてエジプト十字架の形を完成。
 
秤形花器 秤形花器
作品「秤形花器」        作品「秤形花器」

卒塔婆形花器
作品「卒塔婆形花器」
卒塔婆は古代インドで「仏塔」という意味のサンスクリット語「ストゥーバ」を漢訳したものであり、ストゥーバ(仏舎利塔)とは釈迦の遺骨を納めた塔で、これが五重塔の起源といわれています。

魚頭形花器
作品「魚頭形花器」

アンク形花器
作品「アンク形花器」に生花(梅、ピンク八重椿、モッコク) 撮影:平井秀
一室に1作品展示で和の緊張感が広がる空間に仕上がりました。

展示棚
玄関展示棚に上段から作品「鐸形花器」「俵形花器」「漏斗形花器」「アザミ形花器」「アザミ形花器」

木洩れ日
夕陽が差し込み、木洩れ日が作品に重なります。

平井秀さん
作品説明をする平井秀さん

庭展示
樹海の倒木と溜まり水
 
夜の庭 トサミズキ
夜の樹海             満開のトサミズキ

今回の花器は前回より厚作りに変わり重厚感が増してきました。技術面の成長も感じられると平井さんの陶芸の先生から伺うことができたそうで嬉しく思っています。陶芸と華道の両方を理解している強みを生かして、若い時にしかできない難しい課題に挑戦し、新しい世界の探求に挑んでほしいと思っています。更なる、今後の成長を期待しています。ご活躍ください。(三橋登美栄)

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最後は平井秀さんの感想文で締めくくらせて頂きます。

去年の個展が終わった後1年は花と花器、両者の親和性を考えて制作を進めていました。花のことを考えていると花器の質感は自然にしっとりと落ち着き、模様は滲み沈んでいきました。展示の際、和室に花器を1つだけ置きました。場、花器、花。僕はこの3つの要素がとけあい馴染んでいくような感覚に「あ、やっぱりこの3つの要素は切っても切り離せない関係なんだな」と確認することができました。展示を通して自身の制作に対する向き合い方を再考するいい個展になったと思います。(平井秀)

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03/31 12:02 | 展覧会
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