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横浜 東京 2014.3.26
横浜 東京 2014.3.26

小雨の中、東京方面の美術館巡りに出かけます。
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JR膳所7:35発→京都8:05発→新幹線のぞみ110号→新横浜10:04着(乗換え)10:18発→JR桜木町→横浜美術館→桜木町12:44発→品川13:15着→原美術館(昼食13:30頃)→品川→東京→新宿→(京王新線に乗換え)→初台16:20着→東京オペラシティー→京王新線初台→新宿→東京19:20発→新幹線のぞみ255号→京都21:38着(乗換え)21:52発→膳所→帰宅
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横浜ランドマークタワー
以前、横浜みなとみらいに来た時は高層ビルなど少なく、海を背景に横浜ランドマークタワーと日本丸のマストが美しく空に映えていました。 それは第一回横浜トリエンナーレが開催された2001年だったのか、不確かな記憶です。

横浜美術館
ヨーヨー広場を通り過ぎると、横浜美術館の前は桜の花かと見間違うピンクの木蓮が満開。
奈良美智展(2001年)以来、久し振りの美術館前の広場は以前より狭くなっていました。

開館25周年記念「魅惑のニッポン木版画」展
木版画は、江戸時代の浮世絵によって「庶民の芸術」として定着し、その後も大正、昭和を通じて、その独特の質感と表現の可能性に魅了された芸術家たちによって、ゆたかな歴史を形作ってきました。幕末から現代にいたる約200点の作品を観ます。
・ 月岡芳年「西塔ノ鬼若丸」、「月百姿」の細密表現に魅入ります。
・ 棟方志功「華狩頌」の伸びやかで自由な表現に嬉しくなります。
・ 吉田亜世美「YEDOENSIS_divine」はプロジェクターから投影された桜(ソメイヨシノ)の蕾が、花開くこ となく落ちて行きます。その手前にはジャングルジムが置かれ、版画で摺った青い蕾が敷き詰められています。接木をしないと途絶えてしまうというソメイヨシノが、人口が減少する日本の未来を象徴しているようなインスタレーション作品です。
・ 桐月沙樹「ナミマノダンサー」「ウェイトレスダンス」など
「制作では、木版の彫り進め技法を使い木目と画像を同時に彫っていきます。インクをのせて彫りあげた時、有機的な木目は画像の定着を阻み、木目はイメージの一部となります。なにか合理的でない方法で両地点を行き交うことで、二点の共存空間を見つけたいと考えています。」このコメントは2013年4月 にギャラリー揺で2人展を開催した時に桐月さんから伺いました。
この会場の最後を締め括る桐月さんのご活躍が嬉しいです。

桜木町に戻り、JR品川駅からは徒歩で原美術館に向かいます。

原美術館
展覧会を観る前に、中庭に面したガラス張りの「カフェ ダール」で昼食。
新鮮な食材を用いたカボチャと鶏のグラタン、スズキのソテーと季節野菜、茄子とベーコンのスパゲティー、コーヒーを2人でシェアーしました。

企画展「ミヒャエル ボレスマン:アドバンテージ」展
ベルギーを代表する現代美術作家、ミヒャエル ボレマンスの日本の美術館における初個展。不透明な現代社会を生きる人間の宿命を描きだす絵画36点に、映像作品2点で構成されています。
ベルギーのゲントを拠点に活動するボレマンスは、30代に入った1990年代半ば、それまでの写真による表現から絵画へと転向し、急速に評価の高まった作家です。彼の絵画には、静けさの中に微かに謎めいた気配が漂い、観る者を深い思索へと誘います。時間的・空間的に現実から隔離され、自身の儀式や作業にただただ勤しむ人々を通し、複雑で不透明な現代社会に生きる人間を、人間の宿命のようなものを描き出します。作品と厳しく向き合うため、制作数に比して、自身が完成作と認め世に出す作品数が圧倒的に少ないことで知られています。

品川駅に戻り、新宿から京王新線初台駅で下車、東京オペラシティーに向かいます。

東京オペラシティー
東京オペラシティー・サンクスガーデン(B1F)は古代ギリシアの円形劇場風で、ジョナサン・ボロフスキー「Singing Man」の巨人モニュメントが低い声で何か歌っています。

東京オペラシティアートギャラリー(3F)
「さわひらき UNDER THE BOX, BEYOUND THE BOUNDS」展
ロンドン在住のさわひらきは、国内でも発表の機会が続く注目の作家です。室内を小さな飛行機が横切り、やかんや木馬がひとりでに動き出すといった箱庭のような世界を描く映像作家です。現実にはありえない光景にもかかわらずなぜか親しみを感じさせます。閉ざされた空間で現実を少しゆがめてみたり、遠い宇宙に思いを馳せてみたり、さわの白昼夢のような映像は、ひとりひとりが持つ居心地のよい領域(テリトリー)、そして時間軸をともなった領域である個人の記憶について考えさせてくれます。
この展覧会は、最初期の作品から一貫して見られる領域への関心をテーマとしています。
先ず、ドローイングや立体作品で作家自身の日常および意識における領域の手がかりを示しつつ、初期の作品から本展のための新作を含め、映像作品をたどりながら考えていきます。新作のひとつ《Lenticular》はスコットランドのダンディー市に残る古い天文台で撮影された作品で、独学の老天文家ロバートの姿を通して宇宙へとつながります。東京オペラシティ アートギャラリーの大きな展示室を使い、映像と空間の全体を作品として展示する今回の展覧会は、物理的な空間と意識の中の領域を交差させる試みで、人間の意識の奥底をたずねる展覧会でした。

東京オペラシティアートギャラリー 収蔵品展
絵の中の動物たち|寺田コレクションより
現代における動物イメージの多様な魅力を紹介する展覧会で、前田朋子(2015年の揺企画展に参加予定)の作品「くろつぐみシリーズ:彼女の欲しいもの」を思いがけず観られて良かったです。

十分内容の濃い美術館巡りの一日も終り、心地良い疲れを乗せて新幹線で京都まで帰りました。
一緒に観て廻った夫は新宿に1泊して、翌日も美術館巡りです。
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03/28 15:45 | 日々
泉洋平展―庭に通す―(2014.3.11~23)を終えて
ギャラリー揺シリーズ企画「在ルコト」その1
泉洋平展―庭に通す―(2014.3.11~23)を終えて

<展示作品リスト>
1~3 光を絞る形(3点)
4 重力と長さが満たす形
5 藤棚
6 辺より生じ球に沿う

展覧会場
展覧会場
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<作家のコメント>
揺のオーナーの三橋さんに声をかけていただき、
顔合わせに訪れた時のここの印象は「庭を眺めるための家」でした。
庭のある家とはあまり馴染みがない自分だから、より一層感じたのかもしれません。

自分の持った庭への意識は、
他の場所で見れば無機質に感じられる垂れさがった糸の作品から植物を連想させましたし、
普段ニュートラルに感じられる白色も庭の中では、輪郭を際立ったものへと変えました。

また和室や庭での展示は初めてで、
これらが白い展示用の空間よりも他人の支配下にあることを主張しているように感じ、
そこに自分の作品で手を加え、その作品自体も影響を受ける幅が大きいことは、とても興味深かったです。
そこで、他人の(場所としての)領域に招かれ、自分の(分野としての)領域に招くという意味で
今回の展覧会のタイトルを「庭に通す」に決めました。

元は「視覚」を出発点に制作していた私の作品ですが
近年では色や形は在れど、深く語れるほどの中身を持たなくなっていっていると思います。
そこに在って、人と空間と関係し合い、表層的に広がっていく様子に興味があるのです。

テグスが日光を吸収する様や垂れた糸が重なって霧のようになる様子を
楽しんで頂けたらと思います。
                             泉 洋平
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光を絞る形
作品「光を絞る形」(ネジ式刺繍枠、テグス)3点
刺繍枠から中心に向かって絞り込まれる丸い形は、悪夢を捕まえてくれるドリームキャッチャー(インディアンの伝統的なお守り)のようです。

重力と長さが満たす形
作品「重力と長さが満たす形」(木製パネル、リリヤーン1400本、釘)
支持体のパネルを傾斜して設置する事で現れる形は、重なりが多い下に向かって黄色が濃くなり深みが増します。小さな空気の動きにも優しく揺らぎ、鑑賞者と会話を楽しんでいるようです。

藤棚
作品「藤棚」(塩化ビニール製ネット、リリヤーン)
天井に取り付けられたネットから音も無く降りてくる様子は、小糠雨にも、また長くしだれる藤の花序にも見えます。この美しさに見惚れて近づくと、雨や藤の花は消え去って「糸だった!」と気付きます。このように気付く前と気付いた後の心の揺れを日常生活で体験する事はよくありますが、この捉えどころのない境界線の瞬間を実感しました。

藤棚の中
藤棚の中は霞がかかったようにおぼろげな異空間です。
 
藤棚の裾
藤棚の裾

庭展示
作品「辺より生じ球に沿う」(木、白ペンキ、テグス)
空中に浮かぶ作品は多くの角度から観ることができるので、鑑賞者は視点の変化から現れる新しい形の意味や新しい発見を楽しめます。ガラス戸には小形の「辺より生じ球に沿う」が映って室内に浮かんでいるようです。

光るテグス
作品「辺より生じ球に沿う」部分   
太陽光線を受けて輝くテグスに緊張感が走ります。

泉洋平さん
搬入作業中の泉洋平さん
視点を変えることで新発見を体験した展覧会でした。
大きな可能性を期待できる泉さんの今後の作品を楽しみにしています。

03/23 21:33 | 展覧会
比叡山大宮谷林道 2014.3.10
比叡山大宮谷林道 2014.3.10
第380回「自然と語る会」(参加者17名)
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京阪膳所駅8:32→京阪坂本駅9:53→大宮谷林道入口→横川中堂11:30(昼食)→往路を戻る→大宮谷林道入口14:00→陶茶房大杉→京阪坂本駅→帰宅
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7436子育て地蔵
日吉大社・三の鳥居すぐそばの六角堂 「子育て地蔵」(早尾地蔵尊)
比叡山延暦寺の門前町・坂本には「坂本の六地蔵」と呼ばれる六体の地蔵菩薩が点在しています。すべて延暦寺をひらいた伝教大師・最澄の作といわれ、のちに第3代天台座主・円仁が人々に徳を授けるために六カ所に分けたといわれています。これはそのなかで「かくれんぼ地蔵」「子育て地蔵」とも呼ばれる「早尾地蔵」です。

石段
子育て地蔵横の石段からスタート

進入禁止のゲート
進入禁止のゲートから大宮谷林道に入ります。

林道1
林道1

イヌガシ
イヌガシ(犬樫 クスノキ科 シロダモ属 別名マツラニッケイ)
植物の名称で「イヌ」は役に立たないもの、偽者などの意味でつけられることが多いのですが、葉がカシ類に似ているが、カシの仲間ではないからイヌガシの名が付いています。 雌雄異株で、葉はシロダモのように枝先に集まってつき、3脈が目立ちます。裏面はロウ物質におおわれて粉白色。若葉は帯白色または黄褐色に伏毛におおわれ、垂れ下がります。 葉の寿命は2~3年で古い葉を落とします。

ハンノキ
ハンノキ

雪降り
歩き始めて間もなく、仲間達の後ろ姿も霞むくらい激しく雪が降り出します。

雪道1 雪道2 雪道3
         雪道1            雪道2            雪道3
雪はみる間に積もり林道は真っ白。
気温が低くて地面も冷えていれば降った雪は積もるはずですが、積もっている所と積もっていない所があるのが気になりました。「地下水が流れて地面が濡れている所は積もっていないのか?」と思ったのですが「風の通り道かな?」という意見も聞きました。

雪景色1
雪景色1

龍が池弁天 龍が池弁天の雪橋

龍が池弁天
この池には、その昔、不思議な念力を使う大蛇が住み麓の村々に悪事を働いていました。そこで、元三大師が大蛇に対し、念力を見せてほしいと懇願すると、得意になった大蛇が次々に念力を見せ始めました。そして元三大師は大きくなることが出来るか、との問に大蛇が応え、天にも突き刺すような巨大の大蛇となり、小さくなり私の手に乗ることが出来るか、との問にミミズ程に縮み元三大師の手の中に納まりました。すると元三大師は強く手を握り大蛇の動きを封じ、まったく動くことが出来なくなるようにしました。大蛇は心を入れ替え仏に仕えることを誓うと、新たに池の守護神となった弁財天の侍者となったと伝えられています。

クマザサ
この辺りのバイカオウレンの花を楽しみに来たのですが、雪に埋もれています。

横川中堂
雪化粧が映える朱の横川中堂

横川中堂前
横川中堂正面からの雪景色

ツララ
ツララを眺めながら屋外で昼食のお弁当を食べます。

楓の新芽
楓の赤い新芽

雪景色2
雪景色2

雪景色3
雪景色3

雪景色4
雪景色4
帰り道は雪も解け始めて寒さにも馴れ、美しい雪景色を楽しみます。

檜の雪
桧の葉に積もる雪

キブシ
キブシの蕾

陶茶房大杉
坂本に戻って、大杉茶屋でおぜんざいを食べて暖まりました。

語る会のメンバーは足が痛い腰が痛いと言いながらも、雪道にも負けず口元と気持ちはいつも若々しく、今日も楽しかったです。

03/14 23:55 | 山歩き
大文字山 2014.2.25
大文字山 2014.2.25
「自然と語る会」の有志6名
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京阪膳所駅8:31→皇子山駅9:00集合→皇子山公園→山上不動尊→早尾(ソウオ)神社→千石岩(センゴクイワ)→皇子山カントリークラブ→池の谷地蔵尊薬草園→雨宮神社→如意ヶ岳→大文字山山頂→幻の滝→太閤岩→銀閣寺→おめん→南禅寺→地下鉄蹴上駅→山科駅→帰宅
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大津市皇子山公園から千石岩を通って、大文字山を越えて銀閣寺に降りるコースに出発します。

皇子山公園 石段を上がって 右側へ進み、
皇子山公園を左に         石段を上って          右側へ進み
また石段を上がって、 早尾神社石段 山上不動尊
また石段を上って         早尾神社の石段          山上不動尊
早尾神社を右へ
早尾神社の右側から登山開始

山道
早尾神社から千石岩間の山道

石ころ道
最後の200mは岩や石が多く急勾配で息が切れます。

千石岩1
千石岩はロッククライミングの練習場

千石岩2
皇子が丘の西の山手に突き出た巨岩「千石岩」の名の由来は、米俵千石を積み上げた形とか、岩面が米俵千石が並ぶ広さとか、はたまた琵琶湖が今より広かったころ、千石積みの船をこの岩につないだからとかいわれています。

皇子山カントリークラブ
皇子山カントリークラブの裏側に出て、芝生のゴルフコースを見ながら舗装道路を池の谷地蔵方向に進みます。

比叡平
琵琶湖側に見える比叡平の住宅街

何の木?
赤い実が少し着いているこの木の名前は?

薬草園の看板
薬草園の植物は雪に埋もれて、看板を撮影

池之谷地蔵尊
読経が奥から聞こえてくる池之谷地蔵尊

区域図の看板
薬草園の前を通り越してここから山道に入ります。

分かれ道
急に雪道に変わり、分岐点で【大文字→】の表示のある左側に進みます。(右側でも行けます。)
この辺りの杉は枝打ちして明るく綺麗に管理されているのですが、ブルトーザーが入って伐採が進み、新しく作られた車道が山道を遮っているので進行方向を戸惑ってしまいます。

雨宮神社1 雨宮神社2
雨宮神社1                   雨宮神社2            

標識
木に括りつけられた標識を見て如意ヶ岳方向に進みます。

山道
山道を登り、

標識
簡単な標識を見て三井寺方向に進みますが、

通行止め
航空保安施設(運輸省大阪航空局の施設)の柵に遮られてバック。

三叉路
三叉路の分れ道(山科区安祥寺山 119番通報ポイント A14)
写真の左から来て、右に行くと大文字山山頂(465m)、写真手前の道を下ると霊鑑寺方向です。

大文字山山頂に着いて京都市内を眺めますが、中国からのPM2.5の飛来か、残念ながら霞んでいます。
山頂から送り火の火床に向かって歩き始め、途中から右側のフワフワの雪道に入って「気持ち良いね~」としばらく下って行くうちに見慣れない複雑な山道を進んで、水の枯れた「幻の滝」に到着。

幻の滝の近く 幻の滝 幻の滝の近く
     幻の滝の近く          幻の滝           幻の滝の近く 
          
「幻の滝」から先の谷筋を下るのは不安なので、バックして山筋に向かって歩きました。

道しるべ
網の目状に延びる山道で、樹の幹の書かれた「出合、中尾→」の文字を見ながら何処へ行こうかと思案している所に、一人歩きの男性に出逢って、「下山するのは中尾方向が良い」と教えてもらって道案内をお願いしました。この道は地元の人々が通る廃道(旧道)だそうです。また別尾根の上に中尾城跡もありますが、迷いやすくて急な尾根歩きと聞きました。

太閤岩
途中、太閤岩(大光岩)と呼ばれる聚楽第の石垣を切り出したといわれる石切場があります。その花崗岩質の石には鉛筆の芯状の褐簾石(カツレンセキ)という弱い放射線反応をもつ鉱物が含まれています。
明治30年(1903)京都帝国大学の比企忠博士により日本で初めて発見され、日本における放射性元素を含んだ鉱物研究の先駆けとなりました。

無事に銀閣寺まで下山した後、食事処「おめん」で京野菜と胡麻たっぷりの名物うどんを食べてから、哲学の道を歩き南禅寺を通って地下鉄蹴上駅から乗車して帰宅しました。今日も新しい発見が幾つもありワクワクの山歩きでした。

03/02 17:02 | 山歩き
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