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三橋登美栄展(2013.12.3~15)を終えて
ギャラリー揺 シリーズ企画「ズレ」Ⅱ その4
三橋登美栄展―Future of Children―(2013.12.3~15)を終えて

落ち葉
寒い冬の風に舞い散った落葉は庭の吹き溜りに赤、オレンジ、黄と色取り取り仲良く集まっています。

≪展示作品 平面9点≫
1 look away 1 (目を背けて1) 8号F(45.5×38.0cm)    
2 Don’t look away! 4 (目をそらさないで!4) サムホール(22.7×15.8cm)
3 evacuation 1 (避難1) 60号F(97.0×130.3cm)
4 evacuation 2 (避難2) 60号F(97.0×130.3cm)
5 evacuation 3 (避難3) 6号F(31.8×41.0cm)
6 Don’t look away!1 (目をそらさないで!1) 20号F(60.6×72.7cm)
7 Don’t look away!2 (目をそらさないで!2) サムホール(15.8×22.7cm)
8 Don’t look away!3 (目をそらさないで!3) サムホール(15.8×22.7cm)
9 look away 2 (目を背けて2) 10号F(53.0×45.5cm)

チェコポスターの少女
今年の夏休みにイギリス、オーストリア、最後にチェコを訪れ中世の街並みを散策している時に、プラハ国民劇場前の掲示板に目が留まりました。それは少女が両手で顔を覆い、その手に目が描かれているポスターでした。「見たくない!」と一度は目を逸らしますが、その手に描かれた目で現実を見つめているようでした。

look away 1
作品「look away 1」

Don't look away! 4
作品「Don't look away! 4」

旅行中に滞在したロンドンでは第二次世界大戦中の1939年~1945年に、日本と同じように子どもたちが田舎に疎開していたことを知り、その時の画像を元に制作しました。

evacuation 1
作品「evacuation 1」

evacuation 2
作品「evacuation 2」
Evacuation
September 1939―May 1945
Throughout World War Two, in a massively complex and dramatic operation, approximately three million people were evacuated from towns and cities that were in danger of being bombed by enemy aircraft.
Young children from a nursery school in Kentish Town, London, are evacuated, Notice their Labels.

evacuation 3
作品「evacuation 3」
子どもたちは棒に刺した人参をチョコレートやアイスクリームの代替品として提供されていました。戦時中でも人参は豊富にあったイギリスでは「自然の甘味料」としてニンジンの摂取が奨励されていました。
Rationing in World War Two
Rationing of food and other goods during World War Two changed the social landscape of Britain for a generation, creating a national culture of ingenuity, austerity and making-do.  Three young children make do with carrots on sticks, a healthier alternative to ice cream which was unavailable during World War Two due to rationing.

同年代の日本の小学校の椅子、木の台、チョーク箱をインスタレーション展示しました。

展示風景
展示風景

板間展示
板間展示

和室展示
和室展示
Don't look away! 1
作品「Don't look away! 1」

Don't look away! 2
作品「Don't look away! 2」

Don't look away! 3
作品「Don't look away! 3」

look away 2
作品「look away 2」

庭展示
庭展示

第二次世界大戦が終わった翌年に生まれた私は、1970年代に二児の母に、2000年代に三児の祖母になりました。30年後の孫たちは私が経験したことも無い複雑な世界を生きて行くことでしょう。その時に難題から視線を逸らすことなく困難と対峙しなければなりません。現在、紛争の絶えない世界情勢を見て、私の両親や兄弟が体験した第二次世界大戦の話を思い出しました。60代の私が幼児体験を急に鮮明に思い出すことに驚いています。

トサミズキ新芽
春を待つトサミズキの新芽。

三橋登美栄
世代のズレや異国間のズレの垣根を越えて、
多くの子どもたちの希望が叶えられる世界が広がることを願っています。
三橋登美栄

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小吹隆文@kobukitakahumi12月3日のツイートに記載
 
ギャラリー揺の「三橋登美栄展」。
チェコで出会ったポスターから、自分の両親や兄弟が体験した戦争体験に思いを馳せ、
先の大戦中に英国の児童が学童疎開をしたエピソードをテーマに作品を制作。
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12/28 17:24 | 展覧会
堀田淳一展(2013.11.19~12.1)を終えて
堀田淳一展「Butsu Butsu」(2013.11.19~12.1)を終えて

紅葉
ドウダンツツジの紅葉の美しさが目を引く時期に、
堀田淳一展は2009年、2011年に続き3回目です。

<展示作品>
平面作品「Butsu Btsu 」を12点、
陶芸作品「Yellow Butsu Butsu」を8点 、「Blue Butsu Butsu 」を3点
室内と庭のインスタレーションを合わせて総点数23点の展示です。

棚展示
玄関展示

580棚展示
棚展示

展示風景
展示風景

Butsu Butsu夏Ⅰ
作品「Butsu Butsu夏Ⅰ」
ブツブツした部分は、着色した石粉(イシコ)に、ニカワとボンドを混ぜて綿布の上に盛り上げて定着。突起部の点々はストレスの多い現代社会でのアレルギー性体質を連想し、肌の湿疹のように見えました。私が11月上旬に帯状疱疹になり上腕にできた湿疹とそっくりです。
でも私のイメージとは違ってこのButsu Butsuはnippleと聞いて驚きました。
「驚き」はアートの重要な要素の一つで、別世界への想像は広がり制作の面白さから、観賞の楽しみへと繋がります。

Butsu Butsu 春Ⅱ.
作品「Butsu Butsu 春Ⅱ」

Butsu Butsu春1
作品「Butsu Butsu春Ⅰ」

和室展示
和室展示

Butsu Butsu夏Ⅳ
作品「Butsu Butsu夏Ⅳ」

Butsu Butsu初夏
作品「Butsu Butsu初夏」

Butsu Butsu夏Ⅲ
作品「Butsu Butsu夏Ⅲ」

庭展示
イラガの幼虫? ドリアン?と想像しますが、このButsu Butsuもnippleです。

Yellow Butsu Butsuく
作品「Yellow Butsu Butsuく」

庭展示
紅葉の庭で陶作品の黄色と水色が鮮やかさを競い合っています。

堀田さん
堀田さんの作品は牡丹、桜、フクロウと移り変わり、次回はどんな作品が生まれるのでしょうか?
今後のご活躍を楽しみにしています。

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小吹隆文 ツイート11月19日掲載 ギャラリー揺の「堀田淳一展」
絵画と陶芸。
作品の特徴はブツブツのナマコみたいな形態。元々は満開の桜を描いていたが、徐々に変形してこうなった。
盛り上がり部分には珪藻土や石粉を使用。

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12/01 00:17 | 展覧会
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