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初谷記代子展(2013.10.15~20)を終えて
初谷記代子展(2013.10.15~20)を終えて
―夢のあと・さき展―

展示作品はボールペン画1点、鉛筆画10点、陶レリーフ8点、陶オブジェ6点、陶小鉢114点
合計139点で、題名は全て「夢のあと・さき」です。

入口
入口

玄関展示
ボールペン画と陶レリーフ2点を展示した玄関 
白土を素焼き(800度)して、白化粧して焼き(800度)、釉薬をスプレーかけして焼き(1230度)、パールラスター彩で焼いて(780度)仕上がり。
穴開きから赤や緑が覗き、鑑賞者の心を反映するかのように笑顔に見えたり、泣き顔に見えたりします。

棚展示
鉛筆画から飛び出したようなオブジェが並ぶ棚。
花弁の上に海の生物のような雌しべや雄しべが乗っています。

鉛筆画100号
板間に鉛筆画 100号を展示
4B~6Hの鉛筆を使って一つは睡眠時に見る夢、もう一つは将来の夢を描かれたそうです。
初谷さんの夢は常にカラーなのですが、作品は白黒世界の追求です。
鑑賞者がそれぞれに好きな色を付けて絵の動きの中から不安感や希望を見つけて欲しいそうです。

鉛筆画2点
鉛筆画2点
消しゴムを使うこと無く、一回勝負に線を引く潔さが魅力です。

板間展示
板間の展示
半磁土を素焼き(800度)、釉薬をスプレーかけして焼き(1230度)、パールラスター彩で焼いて(780度)仕上がり。パールラルター彩無しのもあります。底は一重の1個の小鉢ですが2,3個重なっているように見えて白い花のようです。海底に広がるお花畑をイメージした展示は庭まで続きます。

畳の間展示
板間から畳の間にも広がります。

畳の間鉛筆画2点
畳の間の鉛筆画2点

畳の間鉛筆画2点
畳の間の鉛筆画2点
繰り返し現れるモティーフは増殖して何処までも広がるエネルギーを感じます。


庭展示
板間から庭への繋がりは室内と屋外の一体感が生まれます。

初谷記代子さん
初谷記代子さん
現住所は栃木県足利市と遠方なのに、関東方面の方々はもちろん、九州、四国などからも初谷さんの揺での初個展会場に大勢のフアンが駆けつけてくださったようです。そして何と言っても今回の展覧会の主作品は、フレンドリーで黒を着ていても何故かカラフルな初谷記代子さんご本人でした。

京都にご縁のある初谷さんの今後のご活躍を楽しみにしています。

……………………………………………………………………………………………

最後は初谷記代子さんの文章で締め括らせていただきます。

「夢のあと・さき展」に
来ていただいてありがとう。
きのうみた夢
あしたみる夢
夢のひとひら
 ひとひらをあつめて
あなたの胸に飾りたい。
又会えることを祈って
         記代子

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10/21 01:39 | 展覧会
金沢健一展(2013.10.1~13)を終えて
金沢健一展 ―自由になるための規則と偶然―(2013.10.1~13)を終えて

2008年以来、5年振り2回目の展覧会です。(前回は「墨と鉄の響き」コラボレーション二人展)

入口
入口

<展示作品リスト>
1 音のかけら-6つの音の為のドローイング   
2~8 記憶の層としての構造 あるいは建築のような
9 鉄と熱の風景Aug‘01-8
10 鉄と熱の風景 Aug‘01-2
11 Slits
12 Slits
13 記憶の層としての構造 あるいは建築のような
14 鉄と熱の風景021136
15 音のかけら-6つの音の為のドローイング
16 動き生成

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鉄と熱の風景0211(2002 鉄 各20×30×5.9cm)
鉄の彫刻を制作するなかで、熔接による鉄の表面の酸化の痕や、色の変化、変形をどう処理するかは厄介な問題となるが、魅力的な現象でもある。この作品では、熔接の熱による鉄の酸化の色模様を作品化した。正面の同寸法の6枚の板と側面の板からなる作品であるが、私はそれらの板を単純に熔接することに徹していて、酸化の色模様の変化は板の重ね方に委ねられている。

動きの生成(2005 鉄 15×15×450cm)
鉄の角パイプに施したドローイングにそって熔断し溝をいれることで、工業製品としての無機的な直線から、有機的な曲線が生まれる。本来、構造材として強度を持つ角パイプをグニャグニャにしているわけで、鉄材屋さんが見たらさぞかし嘆くだろう。板の折り曲げにより製造される鉄の角パイプの残留応力*を利用した作品で、構造材として強度を持つ角パイプだからこそ可能な形態となっている。
*金属板に外力を加えると元にもどろうとする力が働く。鉄の角パイプは板を折り曲げ、一部分で熔接され製造されるが、このような力が製品内に残っている。材料の中に残った応力のこと。
音のかけら―6つの音の為のドローイング(2007 鉄 各0.9×φ35cmを熔断)
1987年から始まるこのシリーズは、「素材(鉄)、形、音」がテーマとなっている。
不定形に熔断した鉄板から触れる行為を通して音を発見する参加体験型の作品である。形のパズルが音のパズルになっていて、作者本人も鉄板を熔断し、叩くまでは音はわからない。形が音になり、音が形になる、初めて音を聴く時はスリリングな瞬間である。

記憶の層としての構造 あるいは建築のような(2012~2013 鉄 各20.8×15.8×22.7cm)
16mm厚の鉄板10枚のうち3枚を4分割し、2個ずつを他の7枚の鉄板にサンドイッチし積層する。このルールを元に作った形態で、今回、錆と磨きの7点のヴァリエーションを展示した。小さい作品であるが重さは約40kgある。コンピュータのハードディスク上のファイルの断片化*がこの作品の発端になっている。
*ハードディスク上のファイルを保存、削除を繰り返しおこなっていると、ハードディスクの空きがまばらになり、そこに収まらない容量を持つファイルは分散され保存される。

Slits(2013 アルミニウム 10×70×80cm)
アルミニウムの角パイプは鉄と違って折り曲げによる製造ではなく、押し出し材といって、ところてんのように作られ、継ぎ目のない角の出た製品となる。この作品では、まず3mm厚、長さ70cmのアルミの角パイプの4面それぞれに幅の異なる3種類スリットを入れ1本を完成させる。これを8本平行に組み合わせ、作品とした。  (金沢健一)

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音のかけら
作品「音のかけら-6つの音の為のドローイング」
氷が割れたような形の鉄のかけらをマレット(ばち)で叩くと、澄んだ音が響きます。
冬の朝、小学校に登校する道すがら手水鉢に張った氷のかけらを左手に持ち右手の指で弾いて鳴らした記憶に繋がります。

会場風景1
会場風景

記憶の層,,,
作品「記憶の層としての構造 あるいは建築のような」 7個の内の1個
13層は13階を、隙間は窓やベランダを連想させて、建築物に見えます。
4種類の錆色と2種類の研磨色の建築物は、木の台座上で各自の領域を確保ながらも相互関係の調和が心地良く繋がっています。また別の見方をすれば、7個の色や質感の違いから響き合うハーモニーが生まれてクラシック音楽の交響曲が演奏されています。

熱と鉄の風景
作品「鉄と熱の風景」
溶接の熱によって色の変化が現れる魅力的な表情から「陶ですか?」と鑑賞者に尋ねられます。

Slits
作品「Slits」
切り取られた溝は五線譜に散らばる音符に変わり、畳の間に現代音楽の演奏が広がります。

記憶の層,,,
作品「記憶の層としての構造 あるいは建築のような」

動き生成
作品「動き生成」
直方体の鉄パイプにスリットが入ると、自然界に存在する生命体の曲線が生まれ、庭の植物達と共存しています。

夜の庭
夜の庭から

金沢健一氏
金沢健一氏

白い雲
白い雲

展覧会のタイトル『自由になるための規則と偶然』は、
「現代社会の煩雑な規則に束縛されてストレスが重なる日々、不自由さへの葛藤の中から偶然現れる青空から吹く爽風」と訳しました。「気が付いたら自由でした!」では甘すぎますか?

金沢さんの今後の展覧会は、現在、茨城県桜川市で「雨引の里と彫刻2013」(11/24まで)
11/6~17埼玉県の川越市立美術館にて「音のかけらと音楽のかたち2013《“層—8枚の板による”120のヴァリエーションの音楽》」、同展は12/14~2014.1/11(12/19~2014.1.5休廊)大阪難波のNPO法人CASに巡回。

お近くの方々はどうぞ足をお運びください。
今後のご活躍を楽しみにしております。

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京都新聞2013年10月5日朝刊(美術欄) 掲載記事
金沢健一展
13層の鉄板からなる立方体(うち3層は4分割した部分を挟み込む)や、アルミ角パイプにスリットを入れ8本単位で組み合わせた作品などを展示。秩序と規則を徹底する事で生じる美を堪能したい。
(小吹隆文・美術ライター)

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最後は金沢健一さんの文章で締め括らせていただきます。

「ギャラリー揺にて」

 観光客でにぎわう銀閣寺だが、道を一本隔てれば閑静な住宅地となる。ギャラリー揺はその一角にある美しい庭を持つ和風住宅のギャラリーである。2008年に書家の島本田鶴子さんとの2人展をきっかけに今回は個展を開催させていただいた。
 
 「自由になるための規則と偶然」と題した今展では工業製品としての金属を出発点とし、造形上のルールの設定や、素材の性質、形状との関わりの中で生まれ、また発見した作品を新旧合わせて展示した。各作品の解説はすでに紹介されているのでここでは省略するが、板の間、畳、庭の3種類の性格の異なる空間、和風住宅が作り出す視線の位置、室内から庭、庭から室内という内と外の関係など、変化に富んだ空間と作品との関わり楽しむことができた。新旧の作品がこのような空間のなかで、新たな関係が結ばれていった。明るさのあるうちは室内照明をつけず自然光をいれ、窓を開け放し、庭と室内をつないだ開放的な展示となった。

 このギャラリーに滞在中、庭を眺め、外気の質感や音、においまでを感じ、静かに流れる時間とともにこの空間に浸れたことは私にとって無上の喜びとなった。そこには空間、作品、人が共存する幸福な時間が流れていた。

            2013年10月15日                          金沢健一
10/16 00:15 | 展覧会
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