美術作家 三橋登美栄
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ギャラリー揺 シリーズ企画「still expecting」4
吉田周平展「HELLO」(2012.9.4~16)を終えて 気軽に「Hello !」と声をかけて会話が始まり双方の関係が繋がります。 日常生活ではあまり意識しない当たり前の事についての表現を意とし、ギャラリー揺に来られた方々が会場のインスタレーション「HELLO」の作品を観ることで、繋がりが複雑に広がる展覧会です。 ![]() 会場風景 吉田周平さんと私が何度か出会ったのは、いつもギャラリーでした。ところが偶然JR湖西線で出会った時の私は、山登りグループの大勢と一緒だったので、私のテンションは高く、違う表情をしていたことに吉田さんは驚かれました。それぞれに様々な場所で違う生活をして暮らす中で、ある時ある場所で出会い、繋がりが重なって広がって行きます。その印象や体験が作品制作のきっかけの一つのようです。 ![]() Origami case おりがみを眺める為のケースで、ケースの横面から紙芝居のようにおりがみを入れ替えられます。 観る人の気分によって、好きな色のおりがみに入れ替えて楽しめます。 ![]() 和室展示2 HELLO Poster(写真左) 不思議な偶然と空間を意識し、真中を大きく開けて写真を配置したポスターです。 誰かが購入して、何処か違う空間にそれを展示すると、その繋がりはますます広がって行きます。 This is not a banana.(写真右) このギャラリーで使っている日用品(パイプ椅子、ホーローヤカン、枕、ペットボトル、石鹸と石鹸箱、小石、箒、ネット袋)をまとめて配置し、全部の表面にバナナマークのシールが貼ってあります。 ![]() This is not a banana. (部分) 白いビニールネット袋に貼られたバナナマークのシール 畳の織り目とネットの編み目の重なりの上にシールが漂っています。 ![]() HELLO(和室) 紙風船とテニスボールが会場内にさり気無く転がっています。 大小、軽重、素材、模様など、この2つの相異を比較することから、両者の繋がりを意識します。 ![]() HELLO(庭) 丸い物繋がりでサッカーボール、オレンジ、バスケットボール、スーパーボール、ゴムマリ、玉ネギ、ジャガイモなどが置かれています。物と物との繋がりを感じる空間で、観る人の参加や体験を含めて多様に繋がります。 ![]() HELLO(庭) ギャラリー空間だけに留まらず、もっと大きな世界と地続きでつながっているようです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 最後は吉田周平さんのコメントです。 ハローハローこんにちは。 僕はここにいます。 そしてなんとかやっています。 あなたはどこでどうしているのだろう。 そこにはなにがありますか? どんな景色が見えますか? いつもと違う車両に乗ってみたり、 壁に写真なんぞ飾ってみると、 なにかが変わるかもしれないし、 なにも変わらないかもしれません。 それでも僕は、とにかくいつも あいさつからはじめるのです。 吉田周平 スポンサーサイト
09/18 21:46 | 展覧会 |