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大乗寺・木津温泉・兵庫陶芸美術館 2011.12.23~24
大乗寺・木津温泉・兵庫陶芸美術館 2011.12.23~24
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23日 JR膳所駅8:40発→京都駅9:25発→特急はしだて1号→福知山駅10:40着10:48発→特急こうのとり3号→城崎温泉駅11:51着11:53発→香住駅12:30頃着 昼食 →大乗寺→香住駅14:45発→豊岡駅15:54着15:17発→KTR(北近畿タンゴ鉄道)→木津温泉駅16:26→京丹後 千松(宿泊)
24日 千松9:00出発→木津温泉駅9:20発→雪でダイヤ乱れる→豊岡駅9:54発→特急こうのとり12号→篠山口駅11:36頃着11:46発→相野駅12:00頃着 昼食 相野駅12:54発→神姫グリーンバス→兵庫陶芸美術館(荒木高子展)→陶の郷→神姫グリーンバス→相野駅16:01発→大阪駅17:00頃発→膳所駅→帰宅18:00頃着
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23日
日本海方面への一泊旅行に合わせてクリスマス寒波襲来です。
寒さ対策に毛糸の手袋、帽子、ダウンジャケットを着込んで出発します。

山陰線車窓
京都駅から福知山駅に向かう山陰線の車中からは雪景色。

カニうどん
香住駅前の食事処で昼食にカニうどんを食べて暖まっている時に、突然パラッパラッと大粒の霰が降りました。昼食後、香住駅前から山沿いの丘陵地にある高野山真言宗 亀居山 大乗寺に向かいます。(タクシーで約5分)
大乗寺は応挙寺とも呼ばれ、745年(天平17年)、開祖行基菩薩が聖観音立像を自ら刻んで本尊とし開創したことが始まりといわれています。大乗寺には円山応挙や息子の応瑞、弟子の呉春、蘆雪らが描いた襖絵や障壁画が数多く残されており、国の重要文化財に指定されているものだけでも165点もあり、円山四条派の美術館としても知られています。

大乗寺雪囲い
雪囲いされた大乗寺客殿
大乗寺は本堂、客殿、薬師堂、鐘楼、蔵などで構成されています。中でも障壁画の納められた客殿は地方の寺院としては大きく立派なもので、寛政6年(1794年)再建を終えるとともに、寛政7年に都合8年の歳月をかけた応挙一門による障壁画の制作が完了します。この客殿は西方浄土の思想を取り入れ、西を正面に建設されました。客殿仏間の十一面観音菩薩像も西に向いて安置されています。

大乗寺入口
この入口より内部は写真撮影禁止です。
3年前より円山応挙筆の「孔雀の間」「芭蕉の間」「山水の間」の障壁画は再製画(デジタル複写)を公開していて原画は敷地内の収蔵庫(5月に特別公開)に収納されています。

香住湾
大乗寺拝観の後、香住駅に戻り列車の時間待ちに香住海岸を散策。
香住湾の強風で日本海の波しぶきが上がります。

香住駅
香住駅からこの電車に乗って豊岡駅まで、豊岡駅でディーゼル機関車の北近畿タンゴ鉄道に乗り換えて木津温泉駅で下車。駅には夕陽ヶ浦温泉郷 千松のマイクロバスがお出迎え。

夕陽
宿の部屋から見る夕陽を楽しみに来ましたが、運悪く雲の切れ間からチラッと夕陽が覗いて、すぐに雲隠れしました。

海から水蒸気
太陽が沈み急に気温が下がって、寒い外気よりも温度が高い海水から蒸気が上がっています。寒い屋外なのに暖かい露天風呂の湯気のようにも見えます。

船盛料理
夕食の「船盛料理」はボリュームがあり豪華です。お造りの切り身は大きく新鮮で甘みがあり美味しいです。この後にカキフライ、大振りの茶碗蒸し、鯛煮物、鯛アラ焚き、芋天ぷら、お汁、ご飯、果物、コーヒーなどが次々と出てきます。とても食べきれません。残して申し訳ありませんが、ご馳走さまでした。

24日

朝食
旅の醍醐味はなんといっても朝風呂です。温泉大浴場に入浴後、8時から朝食を頂きます。お味噌汁はカニのお味が出てとても美味しいです。

木津温泉雪景色
8時半頃から雪が積もり、旅館から見える庭も海岸も真っ白です。

木津温泉駅
木津温泉駅では、雪の影響で列車の到着が遅れています。

兵庫陶芸美術館入口
列車を乗り継ぎ、JR福知山線相野駅下車、路線バスで兵庫陶芸美術館入口に到着。

兵庫陶芸美術館
兵庫陶芸美術館で「荒木高子展―心の深淵に迫るー」を観ます。
≪荒木高子(1921~2004年)は兵庫県西宮市生まれ。華道未生流宗家の家元であった父の死後、1936年に15歳で家元代行として家業に従事。1950年頃からガラス・オブジェを制作し1952年には須田剋太に師事し油絵を学ぶ。1956年大阪に白鳳画廊を開設し1960年の閉廊まで主に関西の前衛美術を紹介し、荒木自身も石膏やスチールなどを用いたオブジェを制作。1961年に渡米しニューヨーク・アート・スチューデンツ・リーグで彫刻を学び、フランス、スペインに滞在した後、1962年に帰国。1963年に西宮市の自宅に窯を築き、丹波立杭の丸八窯、京都市工芸指導所で学ぶ。荒木は、黒陶のオブジェや、球体にシルクスクリーンで転写した作品などを発表。
荒木の作品は1979年第5回日本陶芸展に出品した「聖書シリーズ・砂の聖書、燃えつきた聖書、黄金の聖書」で最優秀作品賞・秩父宮賜杯を受賞。同年にイタリアのファエンツァ国際陶芸展で第2席に入賞。1990年に兵庫県三田市にアトリエを開設。1995年の阪神淡路大震災で、西宮市の自宅が被害を受けてからは、三田市のアトリエ横にアメリカ製のトレーラーハウスを設置して移住。人間の存在に関する根源的なテーマに迫った作家の没後初の回顧展。》

ひょうご陶芸美術館内
陽が射し込む兵庫陶芸美術館内(展示会場は写真撮影禁止)
今回初めて観た荒木高子の作品「石の聖書」の表情から深い意味を読み解きたいです。

丹後の温泉と雪と日本海の海の幸と展覧会を楽しんだ一泊二日の2人の忘年会でした。
今年一年ありがとう。そして来年も良い年でありますように。

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12/26 15:46 | 旅行
櫻井靖子展(2011.11.29~12.11)を終えて
ギャラリー揺 シリーズ企画「間」5
櫻井靖子展(2011.11.29~12.11)を終えて

玄関棚展示
玄関棚展示 
器15点(抹茶茶碗、杯、汲み出しなど)<展示替え有り>
口縁で一つに繋がっている二重の器で、光と影を意識した穴のインパクトが新鮮です。
ポンスで開けられた外側の穴からは、光が透けて蛍焼きのようにも見え、赤ワインなどを入れると淡い色が映ります。

室内展示
室内展示

板間棚展示
板間棚展示 
左作品「Incompletion in Walbrzych」(ポーランドで制作)
右作品「Incompletion」
先ず中が空洞の筒(パイプ状のもの)を何本も作って張り合わせて筒の集合体を作ります。次に表面を削って形を作ってから、内側を繰り抜いて形を整えます。鋳込み技法により1280度で還元焼成してオブジェは完成します。

和室展示
和室展示風景
櫻井さんの作品は、フランス留学を始め数多く海外での制作や展覧会の体験を通して磨かれたセンスと技術から生まれた美しい形体です。でも、小さい底辺から上に向かって広がるフォルムは弥生式土器の鉢を連想させます。紀元前3世紀ごろから始まった弥生時代に遡って数千年前を身近に感じる楽しさを味わいました。

作品アップ
作品のアップ
硬く鋭い印象は骨格を連想させ、研ぎ澄まされた本質的な物を感じます。

庭展示
庭展示 オブジェ1点 
Flower 2
紅葉、黄葉の進む晩秋の庭に負けない白いオブジェを一点のみ展示。屋外での凛と佇む作品に緊張感は高まります。自然光から現れる影も作品の一部です。
今後、国内を始め海外での展覧会スケジュールも多い櫻井さんのご活躍を楽しみにしています。揺での展覧会をありがとうございました。
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以下、美術ライター小吹隆文氏の記事を紹介します。

京都新聞2011年12月10日朝刊(美術欄)掲載記事
櫻井靖子展
白い地肌と無数の穴が強い個性を放つ磁器。特徴的な構造がもたらす光と影の効果に要注目。新作が中心だが、昨年ポーランドで制作した作品も数点含まれる。

小吹隆文 アートのこぶ〆 <展覧会場の様子>京都12/6
櫻井靖子展/ギャラリー揺
表面に多数の穴が空いた不思議な形態の磁器が並んでいます。一見しただけではどのように作っているのか分かりませんが、幸い作家がおられたので詳しく聞くことができました、まず磁土でパイプ状の形態を作り、それらを束ねてから器の形にカットして、内部を削り取ると共に全体の形を仕上げてから焼成するそうです。釉薬がかかっていない白い地肌にも独特の美が感じられます。

12/22 00:26 | 展覧会
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