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植松永次展「いつか見た空」(2010.10.5~17)を終えて
植松永次展「いつか見た空」(2010.10.5~17)を終えて

玄関の棚
玄関の棚

室内展示
室内展示作品

作品1
作品「収穫」もみ殻に泥を浸み込ませて焼いたもので、土や自然を感じます。
展覧会を観に来られた方々から「おいしそう!」「食べてみたいね。」の声が聞かれました。

作品2,3
壁作品「陽光」  床作品「横になった日の出」

 作品4
作品「未来からの伝言」
この不安定な設置と読み解けない伝言から未来の困難さを予想します。

作品5
作品「あっちの空とこっちの空」
作者は制作にあたって『一つの空間であって、あっちの空とこっちの空は違うようだが繋がっている。同じようで違う、違うようで同じ不確かな世界が見えていたよう』です。

作品6
庭の苔の上でゆったりと落ち着いた表情の丸い壺は植松永次さんのお人柄に重なります。

作者は、「私の作る土の形が水や空気、そして土と私達の身近にある大切なものを改めて感じられる手がかりになれば嬉しいですね。」と言っておられました。
植松さんの作品を、そっと触れていると心が落ち着き、安心できるような印象を受けます。作品を所有し自分の身近な手元に置きたくなる植松永次フアンの気持ちが分かります。優しい空気に包まれた良い展覧会をありがとうございました。

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10/20 19:06 | 展覧会
金正敏展「器夢」(2010.9.28~10.3)を終えて
金正敏展「器夢」(2010.9.28~10.3)を終えて

展示作品
室内展示作品

Water drawing
Water drawing
『水を落としながらご自由にドローイングしてください。
しばらくするとあなたが描いたドローイングは消えてしまいます。
目に見えないからと言って
意味がないわけではありません。
目に見えるからと言って
所有できるわけでもありません。
全ては生まれ、消えていきます。』
のコメントと大きい注射器と水を準備して、鑑賞者参加型のインスタレーションです。

芽生え
ヒマワリの種でしょうか。上に双葉が伸び、下にひげ根が伸び植物の生命力を鮮明に観察できます。私は器に生き物が宿っているように感じたのですが、金さんの制作意図は違って「小さいけれど、焼かないことで、まるで生き物のようにみえる。形は器だけれども、使うための器ではなく、器自身が生き物として存在している」そうです。

水滴
アクリルケース壁面に着いた水滴から、生き物としての呼吸を見ることができます。

庭展示
庭の作品展示
椅子に座って耳を澄ますと静かな音が聞こえます。
古代の日本には朝鮮半島から土器制作、農工技術、土木技術、養蚕、機織り、漢字、仏教、医学などの新しい文化や技術を持って多くの人たちが渡来してきました。「渡来人」と呼んでいますが、実はわたしたち日本人の祖先でもあります。彼らから伝えられた技術や知識によって、それまでの人々の生活が大きく変化しました。
そして2005年に金正敏さんは韓国から来日して、1年間の語学留学で日本語を習得し、現在は京都造形芸術大学大学院在籍中です。京都で制作、当ギャラリーで作品発表となりました。会場では韓国語が飛び交い自国のお茶とお菓子がもてなされ、両国の文化交流から、日本の現代美術が韓国に持ち帰られることを嬉しく思います。でも金さんの夢はそれ以上に大きく卒業後はインド行きに興味を持たれています。今後はどのような作品が生まれるのか、とても楽しみです。

10/14 22:31 | 展覧会
かのうたかお展「The Passion of Lovers」(2010.9.14~26)を終えて
ギャラリー揺 シリーズ企画「移行」3 
かのうたかお展「The Passion of Lovers」(2010.9.14~26)を終えて

 展示作品
展示作品
玄関
1 Crazy Little Thing Called Love
2 Jump 
板間
3  Dreaming of You
2 Jump
4 Deep Peace
5 Beautiful Thing You
6 The Passion of Lovers
和室
7 Keys to Your Love
8 We’re in This Together
9 Sometimes I Feel So Lonely

10  Here Comes The Moon

作品タイトルについて、
『作品は観賞者が観て想像するものなのに、そのきっかけになるタイトルにこだわって観てしまう。作家の言葉からの影響を受けないように「好きな音楽の題名」を作品タイトルに使用。』とかのうたかお氏から伺いました。音楽に詳しくない私は、曲からのイメージも無く先入観無しに自由に観賞しました。

 作品4
作品No4
粘土で外側(凹形)を創り、砂のような粉末 / シャモット(chamotto)を内側(凸形)に入れて1230度で焼成。焼き上がってから、シャモットに長石を入れて固まった部分を残し、シャモットのみの固まらない部分を取り除くと内側の造形が現れます。

 作品5
作品No5
かのうさんは青年海外協力隊員として西アフリカ ニジェール共和国で陶磁器指導をされました。日中は50度近くにもなる砂漠の国での2年半の滞在生活を想像できませんが作品から追体験してみました。 サハラ砂漠の砂に何か未知の世界の存在を確信したなら、何処までも掘り下げて行きたい欲求に駆られ、行為そのものに意味を見つけられるくらいの感動から、この遺跡発掘のような作品が生まれたと解釈しました。作品の内側を覗くと、過去の栄華が階層状に消え去った古代文明の遺跡の内側を見るようです。

 作品6
作品No6
オブジェ作品と伝統的な器物の両立の難しさを思いますが、かのうさんは今後も双方を制作することで上手くバランスを取って作家活動を続けて行かれるようです。

 作品7
作品No7
和菓子・落雁のような表情の三日月が畳に似合います。

 作品8
作品No8
地球ではない何処かの宇宙の星に遺跡が存在するとしたら、、、

 作品10
作品No10
揺の石畳に中秋の名月が降りて来ました。「真夜中に本物の月明かりに照らし出されたこの満月は、淡く立体的に浮かび上がりとても幻想的!」は会場2階のお姉さんの感想です。
最終日の搬出前に、かのうさんを囲んで、今回のシリーズ企画参加者をお誘いして関係者のみのささやかな観月お茶会を楽しみ、当ギャラリー5周年の記念日にしました。 
良い展覧会をありがとうございました。

10/14 21:42 | 展覧会
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