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野田直子陶展(2023.10.17~29)を終えて
野田直子陶展(2023.10.17~29)を終えて

5年ぶり、2回目の野田直子陶展を開催させて頂きました。
カラフルで現代的な楽焼きの器を中心にアクセサリーなども含めて100点を超える展示になりました。

≪楽焼きについて≫
大学を卒業後 自宅の庭に楽焼きの窯を作りました。楽焼き焼成の工程を説明します。
最初は窯が湿っているので30分ほど新聞紙や小枝で窯を温めてやる(それを“あぶり”という)それが終わったら 私の場合300℃まで薪でたいて 灯油バーナーに交換する。
つまみ出しの場合 2回目より 次に入れる作品をあらかじめ窯の上で温めておいて待機させる。温まったものは 熱い窯中へ直接入れても ハジク(爆発する)ことがない。
800℃になったら フタを開けて 作品をやっとこでつまみ出して おがくずをしきつめた入れ物の中に入れて更におがくずをかけてやって火がついた時点でフタをして還元状態にしていぶす。
出し終わったら 次に窯の上側に温めてある作品を これまた手早く窯の中に入れる。これを4度繰り返す。(一度800℃まで温度が上がっていたら2回目、3回目は すぐに温度が上がるので 効率がよい)(野田直子)

≪展示作品≫
茶碗 17個、壁かけ 7個、花入れ3個、船2個、豆皿3組、ブローチ35個、勾玉ネックレス8個、ポストカードスタンド14個、馬3個、船皿1組、小物入れ11個、茶入れ7個、蓋物1個、香炉2個、ぐい吞み8個、カップ9個、ブックスタンド2個、
賛助出品 : 野田耕平(野田直子の弟)の平面1点、松原 緑(野田直子の叔母)の織物1点

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棚展示

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板間展示

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板間展示

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板間展示

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和室展示

IMG_7181.jpg茶碗
IMG_7183.jpg茶碗

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和室展示

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茶入れとぐい吞み
   
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庭展示

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野田直子さん

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野田直子 略歴
1974年 京都大原に生まれる
1997年 京都市立芸術大学陶磁器科卒業 卒業制作:京都市長賞 
    以後自宅に築いた窯で制作を始める
2008年3月 アートライフみつはし 初個展
2012年5月 アートライフみつはし 第2回個展
    8月 軽井沢 油屋旅館 ルーサイトギャラリー追分店にて姉弟展
2013年7月 軽井沢 油屋旅館 ルーサイトギャラリー追分店にて姉弟展
      (~毎年夏季に開催)
2018年10月 ギャラリー揺 第3回個展

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野田さんは2012年以降毎年、軽井沢で弟さんと一緒に陶と絵画の姉弟展を開催されています。
今展では、和室の床の間に弟さん(野田耕平)の絵画を、垂れ壁に叔母さん(松原 緑)の織の作品を展示して頂きました。展覧会中は、野田さんご家族の暖かいご協力のもとに盛況のうちに終えることができました。ありがとうございました。また幣廊での野田直子陶展を開催してくださる機会をお待ちしています。今後のご活躍を楽しみにしています。(三橋登美栄)


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11/01 10:06 | 展覧会
北浦真保展 ―まほろば―を終えて
北浦真保展 ―まほろば― を終えて (2023.5.2~5.14)

人の生命力、生と死をテーマに作陶。龍や獅子のような架空の生き物をモチーフにすることが多い。これらの神獣は、人が疫病や天災など昔では得体の知れなかった恐怖から身を守るために創造された生き物である。死なないように、生きる為に。人々の祈りの中で生きてきたシルエットには荘厳さと禍々しい生命力が宿っている。 日々の、一瞬の大切な感情を忘れないように作品に落とし込み、焼成を繰り返すことで意識が研ぎ澄まされていく。窯から出てくる陶器は、そんな自分を俯瞰的に見ているようである。
本展覧会では、昨年から現在までの約一年間の作品を展開する。新型コロナウイルス感染症のパンデミックは約3年に渡り、現在では規制緩和が進むことで緩やかに落ち着きを見せつつある。流行当初に感じていた圧迫感や居心地の悪さから「解放」をキー ワードに色鮮やかで疼くようなイメージを目指す。理想郷を求め、その先にある喜びと新たな生命力に満ちた空間の実現を試みる(北浦真保)

≪展示作品≫
1 逆鱗に触る
2 壺中の天
3 とようけ
4 Bless you.
5 ゆめごこち
6 薬師陶板
7 蓬莱亀
8 夢華の庭(a) (b) (c )(d) (e) (f)
9 山盛
10 カップ(4点)
11 ゴブレット(大)(6点)
12 ゴブレット(小)(1点)
13 コンポート皿(2点)
14 一休
15 露花

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作品「山盛」

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作品「とようけ」

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作品「Bless you.」

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作品「逆鱗に触る」

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作品「逆鱗に触る」の部分

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作品「壺中の天」

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作品「薬師陶板」

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作品「ゆめごこち」

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小作品(カップ、ゴブレット大、ゴブレット小、コンポート皿、一休、露花)

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作品「夢華」(f)

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作品「夢華」

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作品「夢華」(a,b,c,d,e)

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KITAURA MAHO 北浦真保さん

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京都新聞(2023年5月6日)美術欄・ギャラリーに掲載された記事(作品写真掲載)

(揺=銀閣寺道14日まで 月休)龍、キリン、バクなど架空の神獣と吉祥モチーフを、立体的に壺と組み合わせた陶作品。壺の中に閉じ込められた龍の体の一部が開口部からのぞくなど、凝った入れ子構造。抑圧からの解放や幸福への願いをユーモラスに造形。(高島慈・美術評論)

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≪展覧会を終えて≫
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大文字山山麓からほど近い幣廊は自然環境に恵まれて、四季折々野生の生き物がやってきます。
展覧会中も、可愛い目のトラツグミ(?)の雛が飛んできました。(5月12日撮影)

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展覧会最終日、雨に濡れたヤマボウシの白い花が輝いていました。(5月14日撮影)

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「まほろば」とは、日本古来からある言葉で、「優れたところ。素晴らしいところ。」という意味があります。 「古事記」の中には、 「倭は国のまほろば、たたなづく青垣山 こもれる倭し 美し。」 の一節があります。展覧会中、揺は「まほろば」に設えられ、その空間に佇めたことを嬉しく思いました。ほぼ2週間、北浦さんは朝のパートタイム仕事を終えてから幣廊に出勤し、来廊者に作品の説明をされていました。今後も、制作とパートタイム仕事を両立させ、充実した日々を過ごされることでしょう。多様な可能性をお持ちの北浦さんは、これからも意欲的に制作されると思います。将来のご活躍を楽しみにしています。(ギャラリー揺 三橋登美栄)



05/19 13:12 | 展覧会
夛田憲太朗展(2023.3.28~4.2)を終えて
夛田憲太朗展(2023.3.28~4.2)を終えて

2016年、2020年に続き、3回目の夛田憲太朗展を開催して頂きました。

≪展示作品≫
1 アメリカの古い家 F30
2 灯台 P30
3 廃船1 P15
4 廃船2 P20
5 廃船3 P30 
6 ウツギ F6 
7 シリパ岬 F12

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灯台
作品「灯台」

廃船
作品「廃船Ⅰ」

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シリパ岬
作品「シリパ岬」

アメリカの古い家
作品「アメリカの古い家」

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ウツギ
作品「ウツギ」

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廃船3
作品「廃船Ⅲ」

廃船2
作品「廃船Ⅱ」

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京都新聞(2023年4月1日)美術欄・ギャラリーに掲載された記事
夛田憲太朗展(揺=銀閣寺前町 2日まで)
海辺の灯台や漁船、切り立った岬などを描いた風景画。北海道で取材した景色が多く、多分に異国的な雰囲気を漂わせている。具象画であるのと同時に、自身の投影として情景を描いている趣も。(小吹隆文・美術ライター)
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≪展覧会を終えて・・・≫
個展で説明をしているといつも同じ発見があります。それは、あくまで自分のために描いた作品なのに、その中に承認欲求があることです。描いた作品は押し入れにしまってしまっても構わないと思っていても、結局人に見せてしまいます。気持ちを人と共有したいという思いが隠されていることに気づかされます。ただ、そこは素直で良いと思うので、今後は自分のため、人のため、それを一つにできるような作品を追求していきたいと思います(夛田憲太朗)
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日中は大賑わいでしたが、夕方には観光客も少なくなり、静けさを取り戻していました。(3月27日午後5時過ぎ撮影)
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「日本の道100選」に選定されている哲学の道は、哲学者の西田幾多郎氏など、文人が散策したことが名前の由来。若王子橋から浄土寺橋まで続く疎水沿い、全長2kmの散策路には、約400本のソメイヨシノなどが咲き誇る桜のトンネルが有名です。今年の満開時と夛田さんの展覧会が重なり、銀閣寺界隈は花見客で大賑わいでしたが、その喧騒からほんの少し離れたギャラリー揺の空間はとても静かで、作品を落ち着いてゆっくり鑑賞して頂けます。
夛田さんは会社員として多忙な日々を過ごしながら、時間を見つけて制作に励まれています。これからも意欲的に制作されることと思います。今後の新作を楽しみにしています。(ギャラリー揺 三橋登美栄)
04/03 13:24 | 展覧会
第五回 一六一六展 (2023.3.14~19)を終えて
第五回 一六一六展 (2023.3.14~19)を終えて

2016年に京都造形芸術大学(現京都芸術大学)通信教育部・陶芸コース卒業生のグループ展です。
幣ギャラリーでは4回目、9名の多彩な作品が室内と庭に展示されました。

《出品者 9名》
井星はるか 梅本泰子 梅香恵美子 落合利男 川本修
谷口和久 中木貴子 長瀬真弓 野田華子

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作品「八面一輪挿し 山土ぐい吞み」
『小さな一輪挿しです とっくりとぐい吞みでいっぱいどうぞ』(川本 修)

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作品「うつろい」
『上信楽 無釉 ドライフラワー(グレビレア・ゴールド、コンパクタナチュラル)』(中木貴子)

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作品「キタノ・メグミ」
『北の恵みですが食べられません』(川本 修)

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左の作品「I ricordi di estate」
『団扇:備前土(電気窯) 団扇かけ:白信楽土・月白釉 夏の花街の風物詩を思い出し制作』(谷口和久)

右の作品「 I recordi di estate(Ⅱ)」
『団扇:備前土(電気窯) 団扇かけ:竹 茶屋さんの家紋入り団扇と火欅と共にデザイン』(谷口和久)

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作品「Senza titolo」
『黒田村にてトレインキルンで焼成』(谷口和久)

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左の作品「Un paio di coppette per Soba」『備前土(電気窯)火襷に挑戦』(谷口和久)

右の作品「Un paio di servizi da Caffe」『黒泥土・月白釉 コーヒーカップ・ソーサー・コーヒースプーン(桜の小枝の型取り)のセット』(谷口和久)

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作品「貫入青鉢」
『白化粧に瑠璃釉を刷毛で施釉。釉薬に細かなヒビが入る貫入が模様になっています。焼き上がり窯から出した時は、もっとキラキラして感動しましたが、少し色が落ち着いてきました。』(長瀬真弓)

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作品「花器」
『赤土 白釉 卵から空へ飛び立つ鳥のイメージ』(梅香恵美子)

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『3DCADで植木鉢をデザイン、それを粘土に写し取りました。(野田華子)

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作品「染付六角鉢」(井星はるか)

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作品「とびらの向こう」とびらの向こうはもう一つの世界…
『磁土 下絵彩色 透明釉薬』(梅本泰子)

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作品「萌し(きざし)」 はなびらが、今、オチル…
『彫り 下絵彩色 透明釉薬』(梅本泰子)

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作品「70億のピース」ジクソーパズルの完成はいつ?
『磁土 下絵彩色 透明釉薬』(梅本泰子)

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作品「kurukuru」(井星はるか)

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作品「父と子」(川本 修)

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作品「木葉」
『地元の山奥で採取した土を主体に焼いた作品です。釉薬も山で見つけた砂鉄を含んだ石を砕いて、ホタテ貝の粉末などを混ぜて作ったオリジナルです。作品は自分で見つけた原材料をベースに制作したので、思い通りに行かず難しかったのですが、若干の思い入れと愛着があります。(現在、残念ながら立ち入り禁止になっていたり、熊が出没するなど危険で行くことができません。トホホ)』(川本 修)

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作品「スピンフロー」宇宙からこんなモノが飛んできたら痛いだろうナ~
『ほとんど焼き締め』(落合利男)

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作品「刻々」あまり見たこともない造形をめざします
『翼がへたらないように』(落合利男)

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作品「Satoimo」
『泥漿 磁土 雑誌に掲載されていた六方剝きされた里芋、それぞれの形に合わせて剥かれた面が揃ってない形に魅了されてできた器『satoimo』。土で里芋の皮を剝くように削いて原型を作っています。』(井星はるか) 

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作品「キラキラ」
『沖縄の梅 透き通った水、キラキラと太陽の光を受けて、そして光は水底へフチの隙間から光を通し、影が出来るイメージを作りました。』(長瀬真弓)

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展覧会場で記念撮影(最終日3月19日)
前列左から谷口さん、長瀬さん、梅本さん
後列左から川本さん、梅香さん、野田さん、中木さん、井星さん

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落合さん(右側)は 記念撮影後に揺に到着。搬出中の井星さんと笑顔のツーショット。

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【 展覧会を終えて ① 】
多くの方々にお越しいただき有難うございました。今回で5回目となり、16名でスタートしたこのグループ展でしたが、今回は9名の出展で少し寂しい感がありましたが、出展者それぞれが個性溢れる素晴らしい出展で開催できました。来年は今年よりも出展者が一人でも増えてグループ展が開催出来ればと願っています。(谷口 和久)
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【 展覧会を終えて ② 】
今回5回目となるグループ展、回を重ねるにつれ、それぞれの作品も進化しているように思われます。初めの頃は、展示の仕方などもよくわからず、ギャラリーの三橋さんにアドバイスを頂きながらしたのを覚えています。作品が一番活きる場所や見せ方を模索して、今回も時間をかけ、納得のいく展示が出来ました。お庭があり、和室がありほっこり和むギャラリー、来年もまた展示出来るのを楽しみにしています。(長瀬真弓)
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【 展覧会を終えて ③ 】
卒業してから7年、その間、コロナ禍があり、ライフステージの変化があったりと、同窓生それぞれが異なったベクトルに向かっています。こうして同窓生が作品を持ち寄って集うと、ベクトルが違うゆえの刺激をもらえます。きらきら輝く作品、渋い作品、繊細な作品、端正な作品、遊び心のある作品、自分に正直な作品。数々の作品を目にして、また、来訪者の方の視点からのコメントにより、たくさんの気づきをいただきました。企画成功に向けて尽力してくれた仲間、お忙しい中ご来訪いただいた先生方、ご来訪者の皆様、そしていつも素敵なギャラリーをご提供いただける三橋さんに改めて感謝します。
ちょっとだけお褒めの言葉をいただけたことで、自信につながり、次の作品を作る意欲につながります。
きっと、来年は3Dプリントの実演といった変化球ではなく、魅せる作品を展示できるかな。そのためには、妄想だけで済ますのではなく今日から手を動かそう、と誓って今日も3D CADに向かいます。(野田華子)

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実演中の3Dプリンタ

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3Dプリンタによって作られた立体

※一六一六展の動画(野田華子さん制作)も合わせてご覧ください。
第五回一六一六陶展

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【 展覧会を終えて ④ 】
1年ぶり、一六一六展の方々に再会できてとても嬉しかったです。参加者のお一人、野田さんが重い3Dプリンタをご持参してくださって、展覧会場で実演。普段は目にする機会の無いこの機器は、断面形状を積層して立体的なものを作ることができます。思い描いた平面のアイディアが立体になる3Dの技術に感動しました。素材は生分解性プラスチック(PLA)なので、環境に優しいです。今後は、さらに職人の手仕事をデジタル化するなど、3Dプリンタは目覚ましく進化し、多方面に需要が高まっていくことを実感しました。来年は、みなさんの作品がどのように変化、進化するのか楽しみにしています。(揺 三橋登美栄)
03/22 12:23 | 展覧会
グループ展 空華 KUGHE を終えて
グループ展 空華 KUGHE (2022.11.1~13) を終えて
12:00~18:00(最終日17:00) 7(月)休廊

今井康雄 竹内淳子 中尾美園 三橋登美栄

「空華(くうげ)」とは空中に咲く花のことで存在するはずのないものを指すのだそうです。本来は、病んだ目で空中を見るとあるはずのないものが見えてしまうものだ、という意味であり、様々な悩みや迷い不安や悲しみ、苦しみも全て実体のないものにすぎないのではないかということだそうです。
また、禅の世界では、実体のないものへの囚われをなくすことだそうで、道元禅師著の正法眼蔵「空華」の巻で『ありとあらゆるものが真実であり、空として成立しているのであり、そしてこれを理解したと思ってはならない』と説かれておられます。
4人の作家が各者各様、「空華」という言葉を与えられて難解な禅問答を繰り返しながら「空」に迷い、「華」を感じながら制作いたしました。それぞれの「空華」を感じながらご高覧頂けましたら幸いに思います。(空華KUGHEのフライヤーに掲載)

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ギャラリー揺 入口

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今井康雄 壁面左から作品「Anemone」「Chrysanthemum」

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今井康雄 左から作品「HelleboreⅠ」「HelleboreⅡ」「HelleboreⅢ」「HelleboreⅣ」

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竹内淳子 作品「白のドルマ」

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中尾美園 作品「Mother Code 2」

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今井康雄 作品「Still Life (Flower Vase) 」

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三橋登美栄 手前左から作品「雲影3」「雲影1」

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竹内淳子 作品「花影」

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竹内淳子 作品「白い花」

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竹内淳子 作品「散華」

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今井康雄 左から作品「Rose (Tropical Sherbet) 」「Tulip (Angelique) 」

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中尾美園 作品「宇宙人 模写(部分)」

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中尾美園 作品「Mother Code 1」

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今井康雄 左から作品「Aquilegia」「A Tulip (Angelique) 」

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三橋登美栄 作品「雲影2」

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竹内淳子 作品「蛟(みづち)」

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今井康雄 左から作品「Anemone」「Chrysanthemum」

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左から中尾美園 作品「土づくり」2022 今井康雄 作品「Rose (Tropical Sherbet) 」「Tulip (Angelique) 」

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中尾美園 作品「土づくり」2022

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京都新聞2022年11月5日(土) くらし欄 に掲載された記事

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左から竹内淳子さん、中尾美園さん、三橋登美栄 

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「空華」展を終えて
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突然のグループ展のお誘いに戸惑いはあったものの、ギャラリー揺の美しい空間で、テーマを決めたり、ミーティングをしたりと、特別な時間を味わえた。
特に今井氏が提供してくれたテーマ「空華」という禅の言葉には心惹かれた。深い意味は理解できていないが、移ろいゆく人の想いが華だとしたら、それは咲いたかと思うと、はらりと散ってしまう。
絵かきはその華を絵にするんじゃないかと、グループ展が終わって想いは深まっている。偶然のように集まった4人の作家が不思議な調和を描けたのは、「揺」という美しい空間を守ってきた三橋ご夫婦の深い愛の為せる技なのかもしれない。(竹内淳子)

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今回の出品作品は娘と二人で作ったもので、展覧会後は家に飾っている。手を動かしながら、二人で色んな話をした。飾ってある絵をみる度に、共有した時間や記憶が心に内化され、いつかその欠片が浮びあがり、別の何かつながっていくのかと想像している。(中尾美園)
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  一緒に同じものを見聞きしていても、人それぞれに見えているもの、感じていることが違います。それぞれが違う空間をそれぞれが創っています。自分の世界に見えているものは、自分が自分の世界を創造しているもので、他者の世界に見えているものは、その人がその人の世界を創造しています。「空華」が見え隠れする今回のグループ展は、四名それぞれの摩訶不思議な創造空間でした。この展示は2週間で終了しましたが、これからも日々の制作は続きます。それぞれの新作を楽しみにしています。

 自分の世界を創造することができる「今」の時間と空間と「全て」に感謝しています。(揺 三橋登美栄)

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IMG_E8913.jpg今井康雄さん

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「空華」展を終えて
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 まず始めに、今回は位置合わせの段階から展示中、そして搬出にいたるまで、終始、私事で、ギャラリー揺の皆様、三橋さん、中尾さん、竹内さん、そしてご来場頂いた方々に大変ご迷惑をおかけしましたこと深くお詫びさせていただきます。そして、それにもかかわらず、終始ご理解を頂き、寛大に接していた頂き、無事に会を終えられましたこと心より感謝いたします。ありがとうございました。

 今回の4人展は各出品者の作風が全く違い、展示前からいったいどんな展覧会になるのかワクワクしていました。いざ、搬入となり展示作業が始まっても、お互いマイペースで、それぞれの展示場所も自然と決まり、思ったよりもすんなりと展示作業が終わりました。
 「空華」、という捉えどころのないテーマを掲げての展覧会でしたが、4人の捉え方や、制作方法、技法が全く違っているためそれぞれの個性や持ち味ははっきりと際立っていたのですが、そうかと言ってお互い喧嘩したり打ち消しあったりということもなく、それぞれの作品がそれぞれのところに、まるで、自然に草花が自分の生育に適したところにそれぞれ根を下ろして生育していくような感じに、ごく当たり前のようにそこに息づいていたのがとても印象深く、不思議な心持がしました。植栽と庭一面に生した苔の緑が美しい日本庭園から差し込む柔らかな光がそれぞれの個性を融合してくれていたのかも知れません。余談ですが、庭の苔の上にとても小さな冬蕨を数株発見し、三橋さんに尋ねましたら、もともと植えてあったものではないとのことで、余程このお庭が気に入って花が選んでここに根づいたのだなと思うと、なんだかほほえましい気持ちになりました。
 そのお庭の敷石の上に設置した私の作品は、青花という露草の一種の花びらからとった染料を刷毛で塗っては乾かして、を繰り返して作った深い青灰色の紙の上に、一つはアンジェリケというチューリップの素描を、そしてもう一つはトロピカル・シャーベットという薔薇の素描を白黒で透明のフィルムに移したものを置き、ガラス板で挟んだだけのものでした。私の当初の思惑としては、耐光性の極めて低い青花の青灰色が日光に晒されて、デッサンの線の重なりのないところは漂白されて行き、展覧会の最後のほうにガラスから取り出しフィルムを取り除くとそこには、花の画像がポジで浮かび上がっているはずでした。しかし、奇しくも、初日、午後遅くから雨が激しく降り出し、紙の表面に施した青花が流れだすという事態が発生しました。私はすでに帰宅していたので、心配した三橋さんや、竹内さんからご連絡いただき、どうしましょう、ということでしたが、どうぞそのままにしておいてください、というお返事をさせていただきました。竹内さんが期間中、随時、作品を撮影しては、流れ出した青花がまるで煙のように渦巻いている画像を送ってくださいました。日に日に姿を変えていく作品を見て最後どのような結末を迎えるのだろうと、ワクワクしながら居りました。最終日前日に在廊する予定でしたので、その時にガラスから取り出すつもりでいましたが、その日は、急な事情で会場に行くことが出来なくなり結局、それから11日後に搬出で画廊に伺うまで、そのままになってしまっていました。いざ、ガラスを剥がすときはいったいどんな画像がそこに残されているのかと、ドキドキしながらも、濡れている紙を破らないようにそっと取り出すと、セピア色の斑の染みが広がり、微かではあるけれども植物の画像がそこに定着されていました。注意深く梱包して自分の部屋で乾かすと僅かながら花の画像がはっきりとして浮かび上がってきました。お天道様に温められ、雨に打たれて、成り行き任せに出来上がったこの作品は、いったい私が制作したものと言ってもいいものかどうかと思うほどに、儚げで、繊細で、美しい。
 空華、というものがどのようなものかわからないまま、また、わかりようもないまま取り組み、展示して、会を終えて、最後の最後に、そのような形で、まるで、空からの返答のように私の手元に残ったこれら二枚の紙の上の花の画像は、私に問いかけているような気がします。いったい私たち人間は、この世の事象を、何をもって美しいといい、何をもってそうでない、というのだろうかと。(今井康雄)


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秋深まる展覧会最終日(11月13日)のドウダンツツジの紅葉


11/30 22:00 | 展覧会
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